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12月13日 11日のこの蘭でテレビについて書きましたが、
       実は昨日、NHKさんの取材を受けました。
       ただのグルメ的な番組でなく、
       名古屋の食文化として、みそ煮込を取り上げてくださって、感謝しております。
       年明けの夕方のニュースの特集で放送されるそうです。
       (中部地方のみ)
       詳しいオンエア時間はまたこのページでお知らせします。

       みそ煮込とうどんの違いなど、
       「塩」を主軸にみそ煮込を取り上げてくださるようです。
       長時間の撮影でしたが、編集されてオンエア時間は短いようです。
       限られた時間の中でどれだけの情報が伝わるのか、私も興味があります。
       ご覧になった方は、ぜひご意見をメールして下さい。

       ■年末は、12月27日(土)まで営業します。
       ■年始は、1月5日(月)より営業致します。

       次回は、やや時期遅れですが、今年の新蕎麦について書きたいと思います。

12月11日 更新を相当サボっていました。
       読んでくださっている方、申し訳ありません。

       このところ、取材がピークです。
       不思議と取材は時期が重なります。
       以前に比べて、ひどい取材は減りました。
       (もちろん、ひどいところを断っているせいもあります。)
       熊本の雑誌の方も、大阪から取材にいらした方も、
       きちんとした取材をして下さり、ありがたく思っています。
       名古屋のローカル雑誌に、ひどいところが多いのですが、
       やはり地元だけに寂しい気が致します。

       以前、私はこのページで、
       「どっちの料理ショー」に対して批判的な内容を書いたことがありましたが、
       最高の食材に対して奇を衒い過ぎではないかという内容です。
       それについて、ある方より、
       「あれは『ショー』だから、あれでいいのだ」とのご意見をいただきました。
       まったくそれはその通りです。
       ショーにはショーの作り方があります。

       テレビは雑誌以上にひどいものもあります。
       ひどいやらせを強要されたり、
       「音をとる」という理由でお客様に「静かに」と命じ怒らせたり、
       私がテレビ取材には乗り気でない理由は多々あります。

       本当は「どっちの料理ショー」はまともな部類の番組だと思います。
       食材を過剰に化粧させる(産地や製法など)手法には、
       疑問を感じる部分もありますが、
       食品に真摯に向き合う方々を拝見すると、感銘をうけることもあります。

       私はテレビを毛嫌いしているのではないことをご了解下さい。
       私は、「テレビ的なもの」が嫌いなのです。
       世に多くあるグルメ番組、
       蕎麦もすすれないレポーターが、口に入れた途端大感激する様子や、
       せっかくの心づくしを食べ散らかす様子、
       極端に少ない量の言い訳に産地や材料の薀蓄だらけの店主、
       食べ物をおもちゃにする感覚など、そういうものが嫌いなのです。

       テレビに伝えて欲しい情報はいっぱいあります。
       煮込みと鍋焼きの区別とは?
       地元名古屋の人でも答えられる人は少ないはずです。(正解はFAQを参照)
       蕎麦をすする理由とは?
       うどんの工程は? さぬきうどんってどういうもの?
       どうしてさぬきでは朝うどんをこねるのに、名古屋では前の日にこねるの?
       どれも基本的な話ですが、意外に知られていません。
       鰹節と言えば枕崎、昆布と言えば利尻、
       条件反射のように産地を言える方でも、
       だしのとり方はご存知無い方もいらっしゃいます。
       基本が知られていなくて、
       トップの職人のみが使いこなせる銘柄だけが知られているのなら、
       それはセンスも磨かずTPOもわきまえず、
       ブランド品に群がることと何の相違もありません。
       ましてこれは「食」のことですから!
       身体の細胞となる食のことですから!

       もしかしたら、私の不勉強で、
       そういう番組はたくさんあるのかも知れませんが、
       丼に入ったうどんは蓮華を使わずに食べるとか、
       蕎麦は猪口を持ってすすって食べるとか、
       麺のテーブルマナーすらご存知無い方が多いように思います。
       西洋料理のマナーはよく知られているのに!
       これって奇異なことだとお思いになりませんか?

       ショーの名の元に、
       演出の名の元に、
       食事を使って視聴率を上げようという風潮が広がりすぎると、
       生命の根源である「食」が違った方向に向ってしまうような、
       そんな気がしてならないのです。
       だから私は、ショーであろうと容赦せず、
       ある意味警鐘を鳴らしたいと思うのです。
       身のほど知らずにも。

       そして今回私が書いたことすべて、自戒を込めて。

       またこまめにアップします。
       お付き合いください。

11月10日 昨日、東麺類青年会で、麺機の見学に参りました。
       昨今の技術の進歩は凄まじく、この業界も無縁ではないようです。
       恐るべき機械の数々に、職人の存在意義を問われるような危機感を覚えます。
       詳しくは近々、青年会HPにアップします。

       麺類青年会の愛知県での仲間の一人が、
       業績不振から自分は工場に勤めに出るという話を聞きました。
       とてもショックを受けました。
       外食産業の不振が、ここまでやってきているのです。
       コンビニやファーストフードや、お弁当、
       選択肢は大きく広がり、
       また、安価で食事ができる時代です。

       でも、私は外食産業はまだ頑張れると思います。
       長い目で見れば、極端に安い食品や、
       流通や日保ちを最優先させた食品は、廃れていくと信じています。
       我々は気持ちを込めて、大事に食事をこしらえ提供する、
       その基本を大事にし、継続していくしか、
       生き残る道はないような気がします。

       千種区仲田商店街と錦通りの角に「壱」という季節料理の店があります。
       和食の基本がしっかりした料理人が、
       素材を生かした料理を提供してくれるお店です。
       「壱」で料理をいただく度に、とてもくつろいだいい気分になります。
       大量生産でコスト重視の食事では決して得られない満足があります。
       私もそういったうどんを作っていきたいと思っています。

10月18日 お待たせしました。
       牡蠣の入荷の手筈が整いました。
       月曜日から、みそ煮込牡蠣入り、はじめます。

       味噌と牡蠣の相性は抜群です。
       正直、今年も採算的にはきついですが、
       (牡蠣入りが+350円なのは本当にかつかつです)
       みそ煮込の魅力が何倍にも膨らみます。
       ぜひご賞味下さい。

       楽天のみそ煮込オークション、好評です。
       ぜひこの機会に落札してみてください。

       ※現在は楽天では、オークション形式ではなく、共同購入形式をとっております。

10月7日 牡蠣の入荷は20日ごろになりそうです。

      先日、最近オープンした評判のラーメン屋さん「J」に、組合のうどん屋仲間と行きました。
      化学調味料を使わない、天然素材にこだわったお店です。
      その「こだわり」の材料が、壁にこれ見よがしに書いてあります。
      北海道利尻産昆布、土佐枕崎産鰹節など、一流素材の名が並びます。
      で、感想は…
      正直、完成品としておいしいラーメンだとは思いませんでした。
      素材が主張しすぎます。
      具を奮発しすぎたブイヤベースのように、感じが出すぎたスープでした。
      あれだけ強烈に昆布と鰹を効かせた上に、こってりと脂分の多いスープはきついと思います。
      (私の主観です)
      いい素材はもちろん高いだけのことはあるのですが、
      何でも高級ブランド素材を使えばいいかというと、そう単純なものではありません。
      鰹だしを飲みに行ったのではありません。
      ラーメンを食べに行ったのです。
      全体のバランスを考慮し、生かす部分と隠れる部分を使い分けたほうが、
      結果として味はよくなると思います。

      化学調味料に関して言えば、角丸では一部メニューにほんの少量使用しています。
      (3〜4種のメニューです)
      ちゃんとだしをとって作ったものに、ほんの少量加えると、
      全体が馴染んでおいしくなるものもあります。
      多くの中華料理店や多くのラーメン屋や、インスタント食品のように、
      使いすぎては元も子もありません。
      グルタミン酸ナトリウムの味がする料理ってありますもんね。
      ああいうのは論外ですが、
      少量を使う程度なら、健康面でも味の面でもまったく問題ないと、私は思います。

      まあ、もちろん、それよりも牡蠣入りを食べてみてください。
      みそとの相性は抜群です。
      これこそ相乗効果と言うヤツです。
      旨味がたっぷりです。
      もうまもなくです。

10月1日 この間まで暑かったのに、一気に寒いくらいです。
      先週、夏メニューを終了しました。ありがとうございました。
      いよいよみそ煮込本番です。
      牡蠣の季節もそろそろです。もう少しお待ち下さい。

      少し前の話ですが、バスの運転手が飲酒で事故を起こしたニュースがありましたね。
      大型トラックが飲酒で追突し、親子が犠牲になったニュースもありました。
      腹が立つ事件です。
      飲酒運転は誰がやってもいけませんが(だけど、正直私も経験があります)、
      私が信じられないのは、彼らは運転を生業とするものだからです。
      今から仕事という時に、誰が酒を呑むでしょうか?
      (一部例外の職業もあるかもしれませんが、それでも仕事前に呑むのは少数のはずです)
      そのプロ意識の低さに、呆れます。
      自分の仕事をなめているのです。
      (私は飲酒運転に関しては、100%悪いとは思いますが、
      インフラ整備が整っていない面もあると思います。
      酒の席でしか得られない人間関係もあり、
      これを強行に規制すると別種の悪質な犯罪が増加するような懸念があります。
      かといって、飲酒運転のせいで亡くなった罪のない方のことを考えると、
      そんな無神経なこともおいそれと口にはできません。閑話休題)
      いい仕事、それこそがプライドを支えると思うのですが、
      かの職業運転手たちはどう考えていたのでしょう?

      話はがらりと変わりますが、
      ネット(楽天)でのみそ煮込販売を再開します。
      当面はオークション形式での販売となります。
      入手が難しい部分もあるかと存じますが、
      よろしくお願い致します。

9月18日 ようやく朝晩は過ごしやすくなってまいりました。
      でも、未だに夏メニューは健在です。
      こんなに遅くまで夏メニュー継続は角丸はじまって以来だと思います。

      スーパーのころきしめんの取り扱いが今季終了いたしました。
      また来年、よろしくお願い致します。
      それまではスーパー売りみそ煮込をお願いします。
      リニューアルして美味しくなりました。
      なお、現在、ネットでのお取り扱いを一時ストップしております。
      ご了承下さい。

      今日は栄養について書きます。
      テレビでも雑誌でも、○○が××に効く!というような
      食品の効能重視の見出しを多く見かけます。
      あれってどうお思いでしょうか。
      蕎麦の世界でも、ダッタン蕎麦というルチンが普通蕎麦の80倍という蕎麦が出ております。
      かなり苦い蕎麦です。

      所詮、現在の科学で解明されている程度の話です。
      食品の栄養素は、ほとんど分からないことだらけです。
      そのなんだか分かっていない成分こそ、重要なものではないでしょうか。
      例えば、ビタミンの錠剤や、栄養補助ゼリーだけで暮らしたとしたら…
      現在の科学では完璧な栄養素を満たしても、きっと病気になりますよ。
      食物繊維だって、βクリプトキサンチンだって、ポリフェノールだって、
      最近の話じゃないですか。
      それら発見以前の完全バランス食は、今や完璧な食事とは言えません。
      いたちごっこです。
      栄養素ですらそんな段階です。
      食事での満足度や精神的な影響を考えたら…
      むしろ、そういう情報に振りまわされるより、たくさんの種類の食品を
      美味しくいただくほうがいいと思います。
      運動などを含め、身体を健康に保っていれば、
      動物的本能で必要な栄養素を食したくなるはずです。
      自分の感覚で美味しく食べることこそ、王道であると思います。

9月9日 残暑厳しい折、皆様ご自愛下さい…
     5月17日付けの書き込みを復活させました。
     もう、オープンにしてもいいと思います。

     スーパー用かどまるのみそ煮込が、リニューアルしました。
     ぐっと店の味に近づいたと思います。
     ユニー・アピタさんにも定番で扱っていただけることになりました。
     まだお験しでない方、ぜひご賞味下さい。

     このホームページを開設して以来、
     角丸を深くご理解下さる方が増えて、喜ばしいことですが、
     未だに、「こだわりの店」とか言われることが多くて、
     一言書かせてください。

     そもそも、こだわりとか、究極とか、簡単に使いすぎじゃないですか?
     私は当たり前の仕事をしているだけです。
     どんなにこだわった仕事に見えようとも、
     それは私にはいつもの仕事です。
     もし私がこだわったら。
     例えば蕎麦なら、注文を受けてから製粉します。
     製粉したての粉を手打にします。
     そして、打ちあがって20分くらいは休ませて、その上で茹でます。
     どう考えても、お客様を二時間はお待たせすることになると思います。
     それがいい仕事だと考えるとしたら、大間違いで、
     そんな仕事はまったく役に立たないものです。
     うどんも蕎麦も大衆食。
     気軽に食べていただける範囲で、職人の腕を尽くす、
     これはこだわりでなく、当たり前の仕事。
     まして、究極だなんて、私は恥かしくなってしまいます。

     ただ、当たり前の仕事を、当たり前にこなすこと。
     手を抜かずに。そしてそれを何十年も続けること。
     うどん屋の仕事はそれだけです。
     しかし、それがとても困難であることも知りつつ、
     当たり前の顔でこなしていきたいと、私は思っています。

8月17日 いよいよ明日から夏季休業明けの営業再開です。
      本日より私たちは仕込みに入り、今、下回しをすべて終えたところです。
      長期休暇最終日は必ず仕事が入るのがつらいところです。

      よく、名人級は道具を選ばない例えとして、
      『弘法筆を選ばず』と言われます。
      あれには、昔からおかしいんじゃないかとの思いを抱いてきました。
      例えば、私は学生時代からスキーをやりますが、
      自分のパフォーマンスを発揮しようとすれば、
      自ずと道具の性能が大事になります。
      プロゴルファーがきちんとコントロールしたボールを打とうと思えば、
      それなりのアイアンとボールが必要になるでしょうし、
      イチローが超美技を魅せるためには、手入れを怠らないグラブが必要です。
      弘法大師も、己の魂を込めるような書を書くためには、
      墨も筆も吟味する必要があると思います。
      弘法大師もプロゴルファーもイチローも、
      どんな道具を使っても、素人を騙す程度の仕事はできるでしょうが。
      一流の仕事には一流の道具が必要なはずです。

      手打にも様々な道具を使います。
      麺棒一つとっても、常日頃から磨きをかけ、
      滑りのよい、狂いのない状態を保っていないと、いい仕事はできません。
      角丸では、木目の狂いのない棒を選び、
      米ぬかで磨き上げて程よく油ののった麺棒を、
      1200番のフィルムペーパーで仕上げます。
      (砥草の茎を使うといいそうですが、入手できませんので)
      その段階を充分にやっておくと、数十枚連続で延ばしても、
      軽く手でしごくだけで元の滑らかさを取り戻します。
      そして肝心なのは、毎日乾拭きを欠かさないこと。
      毎日行うことで、さらに掌の油ものり、滑りのよい、
      それでいて吸いつくような麺棒になるのです。
      包丁も同じ。
      毎日水洗いし、乾拭き、時々砥いでやること。
      結局、うどん屋の仕事の本質は、地味で誰でもできることの連続です。
      それを手抜きせずに続けることに尽きるはず。
      後半戦の仕事を前に、あらためて、自戒として。
  

8月12日 「ホームページ読んでいます」というメールを、最近非常にたくさんいただくのですが、
      反比例して書きこみが少なく、申し訳ありません。
      書きたいことは山ほどあって、パソコンの前に殴り書きでメモしてあるのですが、
      こう暑いと…(私のパソコンルームは扇風機しかありません)。
      もう少し更新のペースを上げますので、またお付き合いください。

      本日は夏季休業前の最後の営業日でしたが、
      予想を大きく超えるお客様にお運びいただき、
      14時を待たずに売切れご免させていただきました。
      (偶然にも最後のお客様は高校時代の恩師でした、まったくの偶然です)
      夕方以降にお運びくださった方、申し訳ございません。

      ●

      先月のことになりますが、土用丑の前にテレビでうなぎ特集をやっていました。
      興味深く拝見しましたが、せっかくのうなぎ丼に錦糸玉子をまぶしたり、
      余分に蒸したり、手を加えすぎているな、との印象を持つ店が多くございました。
      その後、またテレビで、「どっちの料理ショー」だったと存じますが、
      宇治金時氷を扱っていました。
      最高の抹茶を、最高の家元が手挽きし、あずきももちろん最高級の大納言。
      唸りながら見ていると、最後にせっかくの氷に練乳をかけてしまいました。
      私は、最高の食材に対しての失礼さに、失望してしまいました。

      どっちの料理ショーはそういうケースが目立ちます。
      衒い(てらい)たっぷりの、けれん味たっぷりの。
      スタジオでタレントが手を加えるたびに大騒ぎしますが、
      あれで視聴者は冷めてしまわないでしょうか? 私だけ?

      本当にいい肉があれば、ニンニクや生姜や凝ったスパイスは必要なく、
      少量の塩で炙ってやればよいのです。
      最高のうなぎが手に入れば、体裁など繕わずに腹から裂いて、
      蒸さずに一気に焼き上げれば、それ以上何も要りません。
      (大阪・黒門川ひろのうなぎを食べると分かります)
      できるだけシンプルに、そして、素材を壊さないように、
      慎重に火の入れ具合をはかってやるだけでよいのです。
      奇も衒いもなく。
      あまりいじっちゃ、だめですよね。
      前述の料理がソロとすると、みそ煮込はシンフォニーです。
      スープ料理全般が、そうだと言えるでしょう。
      様々な具材が一つに溶け合って最高になります。
      それでも強すぎる食材はよくありません。
      シンフォニーのバランスを考慮しながら。
      奇を衒ってはいけません。
      最高のものを最高の状態でお出ししたいと思っています。

      ●

      スーパー売りのみそ煮込ですが、
      ユニーグループさんで扱っていただけることが決まりました。
      夏前から味をリニューアルしていて、去年より遥かにいいものができあがりつつあります。
      完成まであと一息、秋出荷に間に合わせるため頑張っています。
      そちらのほうもよろしくお願いします。
      

7月14日 なかなかさっぱりした天気になりませんね。
      先日蕎麦粉屋さんと話をしたのですが、
      やはり、今年はどこのお店でも蕎麦の出が悪いようです。
      30℃を超えて暑くなると、やっぱりざる蕎麦がよく出ますからねえ…。

      角丸では、今年は蕎麦が順調に売れています。
      今までは、暑いときは出るけど、少しでも涼しいとさっぱり…という感じだったのですが、
      今年は今日のように雨が降っても、ある程度は出ています。
      暑さに関係なく、召し上がっていただけるということは、
      角丸の蕎麦ファンがついてくださったかな、と、嬉しく思います。
      おかげで、今日も今現在売切れで、ご迷惑をお掛けしています。

      売切れということですが、
      申し訳ないとは思いますが、正直、これは仕方ありません。
      多かろうと少なかろうと、ご用意した分以上の注文をいただくと、
      売切れになってしまうのですから。
      売切れをなくそうとすると、麺を冷凍しておいたり、
      在庫をたくさん抱えたり、あまり感心する麺にはたどりつきません。
      そういう意味では、売切れも、一つのプライドです。
      ただし、角丸では、みそ煮込の売切れだけは絶対にないように、気をつけております。
      売切れそうになると、何をストップしても追い打ちに入ります。
      みそ煮込は角丸の命ですから。
      みそ煮込以外は、売切れご免でご容赦願います。
      特に蕎麦は保存がききませんので、少量ずつ打つ分、
      売切れでお断りすることも多くございますが、
      その分こまめに打っていくよう、心がけます。
      本日も早速、今から追い打ちして参ります。

7月9日 夏季休業のお知らせ

     8月13日(水)〜17日(日)、お盆休みをいただきます。
     その日程で遠方からお越しになる方には申し訳ありませんが、
     悪しからずご了承下さい。

7月7日 七夕ですがあいにくの天気ですね…

      先日、麺類青年会で、麺用小麦粉のテストを行いました。
      興味のある方は覗いてやってください。
      小麦粉にはいろいろな種類があり、その粉に見合った製法があるということを
      再確認できました。
      例えば、我々が讃岐の製法を見ると、非常に物足りない。
      水回しが決定的に不充分、足踏みが多すぎて麩が入ってしまいそう、
      はまごねも面(つら)が汚い、力が入っていないのに麺が延びる、等など。
      結局、あれも讃岐の粉だからできる芸当で、
      このあたりの粉で同じことをすれば、それはひどいものができあがるでしょう。
      逆にこのあたりの粉で、讃岐の製法では、満足行くものは到底できません。
      うどんは土地のもの。
      土地にあった粉、気候風土とともに製法が練られてきたわけですから。

      それでも、名古屋手打は讃岐に負けない技術だと思います。
      ぜひ、この技のよさが分かっていただけますように。

      中華麺の話ですが、また迷い袋小路に入っています、
      HPでのご紹介はもう少し練れてから。

      あと、スーパーやネット販売の「みそ煮込」「ころきしめん」
      「みそ煮込」の味をさらにグレードアップさせるよう、取組中です。
      みそ煮込シーズンには、より角丸に近い味をご家庭で楽しめると思います。
      乞うご期待!

6月16日 ご好評いただいておりますスーパー販売の「みそ煮込」と「ころきしめん」ですが、
      楽天市場「一日一麺すぎのき亭」でもお求めいただけるようになりました。
      これまで販売のなかった、関西以西、東京以北の方、お待たせ致しました。
      二食入りを三袋入れて、箱入りでの販売です。
      夏季はころきしめん、冬季はみそ煮込の販売となります。
      ぜひ、ご賞味下さい。

      先日の「どっちの料理ショー」のさぬきうどんの話、
      それから前振りばかりの中華麺の話、書きたいことは多いのですが、
      また近々書きます。

6月4日 あまりにも腹立たしいので、一筆書かせてください。

     本日角丸が閉店間際のことです。
     お客様(と思われた女性)が一名入っていらっしゃいました。
     ご案内しようとすると、意味不明のことをおっしゃいます。
     「歩いて探しているんですけど、ここは蕎麦専門店ですか?」
     この付近には角丸という蕎麦専門店はありませんし、
     私どもの店は蕎麦専門店ではありません。
     蕎麦はお出ししているが、専門店ではない旨を伝えると、
     「○○(某フリーペーパー)の取材で、蕎麦専門店を歩いて探しているんです。
     ここは専門店ではないようですけど、蕎麦を扱っていらっしゃるなら、
     取材、してもよろしいでしょうか?」
     何て失礼な話でしょう。
     その人は、角丸の蕎麦を気に入って取材するのではないのです。
     角丸の蕎麦を食べたことはおろか、蕎麦を扱っているかどうかも知らないのです。
     どこの店でもいいのです。
     かなり荒い声で怒り、帰っていただきました。

     取材に関しては、何度もこのページで取り上げ、
     批判していますが、一向によくなる気配がありません。
     特に名古屋の雑誌やフリーペーパーは酷い。
     (発奮してください!)
     大阪の「プリティ」というフリーペーパーの記者は、
     一度黙って訪れて味を確認し、その後二度取材、
     合計三度も大阪から足を運んでくれました。
     そうやって作った記事は、きっと読み応えがあるでしょうし、
     読者も信頼して情報を信じることができます。
     何だか、当たり前過ぎて、書くのが馬鹿らしくなってきました。
     自分の舌を信じて、美味しいと思う店を紹介すればいいんじゃないですか?

     皆様、グルメ本やフリーペーパーの情報を鵜呑みにしてはいけませんよ。
     私も実態を知ってから、あの手の雑誌は、出版社を選んで購入しています。
     (角丸に置いてあるのはいただいた雑誌なので、選んで購入したものではありません)
     酷い出版社は名指しで批判したほうがいいのかも知れません。

     あまりの怒りに予定外の書き込みでした。
     失礼しました。
     

6月3日追記 本日より、夏メニューを始めました。
     ころうどん、ころきしめん、ころ蕎麦、
     手打冷麦、きのこおろしなどです。
     暑い間、みそ煮込みで暑気払も結構ですが、
     たまには冷たい麺を生姜でさっぱりいただくのもおつなものですよ。
     お勧めは、ころきしめんと手打冷麦です。
     どちらも数量限定です。売切れご免でお願いします。

6月3日 5月17日付けのこのページへの書き込みですが、
     フードテーマパークに関するものでしたが、
     現在非公開の内容も含まれていることを指摘いただき、
     情報がオープンになるまで、暫く同日付分のみ削除します。
     関連団体の皆様にはご迷惑をお掛けしました。
     お詫び申し上げます。

     中華麺の試作は順調です、近いうち、ご報告します。

     9月9日、もうそろそろ解禁してもよろしいかと存じますので、
     5月17日付けの書き込みをオープンします。

5月26日 先日、静岡県福田町の福田中学校の校外学習を受けました。
      中学生男女が5名、角丸へいらっしゃって、質疑応答あり、
      調理体験あり、もちろん実食あり、楽しい時間を過ごせました。
      今の中学生はいろんなことをするんですね。

      予告通り、蕎麦のつなぎの話を書きます。
      角丸では蕎麦粉8につなぎ2の、所謂「ニ八蕎麦」を提供しております。
      つなぎというと、たかだか二割、
      その二割の小麦粉の、グルテン(小麦蛋白)量が8%だろうが11%だろうが、
      大した違いはないだろうと思っていました。
      しかし、それは大きな間違いでした。
      完成品に、大きく作用します。
      また、グルテン量や灰分量で粉の性質は分類されるのですが、
      数字が同じでもまったく違う性質のものがあることも分かりました。
      非常に面白く、新鮮な体験でした。
      結局、ある結論に至ったのですが、
      詳しくは、青年会ページの活動報告のページに寄稿しましたので、
      興味のある方はそちらをご覧下さい。

      蕎麦粉、つなぎ、技術、もちろん、最上ではありませんが、
      やっと気に入るものができるようになりました。
      気がつけば蕎麦を打って5年以上経ちましたものね…。
      短いのか、長いのか…。

5月17日 諸般の事由により、この日付の内容を公開できません。
      悪しからずご了承下さい。(6月3日より暫時削除)

      9月9日、もう、オープンにしても差し支えない情報です。
      こちらからご覧下さい。

4月18日 ちょっと古い話ですが、先週の日曜日、
      テレビで「麺類をすすれない若者が増えている」話を放送していました。

      確かに多いですね。
      蕎麦なんかでも口へ箸で運んで咥えて召し上がるお客様が。
      やっぱり、「すする」のは理にかなった日本の文化ですから、
      ちゃんとすすっていただきたいな、と思います。
      ナイフやフォークのマナーや、スパゲティーの食べ方も結構ですが、
      身近なものを格好よく食べることも大事じゃないでしょうか。
      お客様にこういうことを申し上げるのは気が引けますが。

      「すする」ことによって、
      麺と一緒に空気が口腔に入り、その空気を鼻から抜いてやることで、
      蕎麦の香気を感じられるのです。
      また、熱いものでも食べられますもんね。
      それに美味しそうじゃないですか。
      つるつる、ずるずるする音って。

      ご存知ない方のために最低限の知識だけ一応申し上げておきます。
      勝手と言えば勝手ですが、よりよく味わっていただくためのアドヴァイスです。
      蕎麦を召し上がるときは、薬味は全部汁に入れないほうがよろしいかと思います。
      少しずつ汁に入れていただいたほうが蕎麦の味を引き出せます。
      猪口は手で持ってくださいね。
      猫背で召し上がるのはあまりみっともよくありません。
      蕎麦を汁につけるのは、お好みにしましょうか。
      できれば猪口の中で箸を離さずに、そのまますすってほしいものですが。
      あと、これは私が以前から思っていることですが、
      蕎麦汁に山葵(わさび)は、溶かさないほうがよいと思います。
      必ずついてくるものですが、山葵の香気は強すぎて、蕎麦の香りには最悪の薬味です。
      山葵は使わずに召し上がっていただいて、食傷してきたときに、
      山葵を直接舌の上へ少量載せて、口の中をリフレッシュしてみてください。
      そのほうが蕎麦のためにはよろしいかと存じます。
      一度お試しください。

      苦言ついでに、うどんに蓮華って必要ですかね?
      「スプーンちょうだい」とよく言われます。
      あれは地面に散った蓮華の花びらに形が似ていることから「散蓮華(ちりれんげ)」と言います。
      本来、みそ煮込みや鍋焼のように、土鍋で供されるもののためにあります。
      丼でお出しするうどんは、丼を抱えて汁を飲んでいただくものです。
      そういうのも日本の文化だと思うんですけどねえ…。

      今日はお客様に失礼ばかり申し上げる「ひとり言」になりました。
      戯言と笑ってお許し下さい。
      次回は蕎麦のつなぎについて、今私が勉強中なので、書きたいと思います。
      ちょっと最近蕎麦の話が多すぎますか?

4月12日 青年会ページに、製粉工場見学の写真なんかをアップしました。
      蕎麦に興味をおもちで、製粉にも興味がある方は覗いてみてやってください。

      工場見学の際、様々な蕎麦粉を拝見しました。
      角丸が使っている、粗挽きの石臼挽の手打用粉、
      一般的な麺類店が使うロール挽の粉、そして、
      製麺会社が使うロール挽の粉。今日は最後の粉の話をします。

      ワタライ製粉さんのHPの、「蕎麦粉とは」をご覧頂くとよく分かるのですが、
      蕎麦粉は内部が白く、外が黒いものです。
      中心部分は粘りがほとんどなく、打ち粉や更級粉になります。
      角丸の「木鉢」という粉も、ここに近い部分が使われます。
      その外にはウグイス色の甘皮という粘りの強い部分があり、
      さらに外は鬼皮という黒く固い蕎麦殻に覆われています。
      ワタライさんでも大量の鬼皮が蕎麦殻として出ていて、
      私はそれは廃棄するか枕に使うかだろうと思っていたら、
      製麺会社用の蕎麦粉にも一部使われると聞いて、驚いてしまいました。
      本当に固くてざらざらした部分ですから、何度も特殊なロールで挽きこんで
      細かい粉にするそうです。
      そういう粉の需要があることが驚きなのです。

      はっきり言って、あれは蕎麦粉ではありません。
      あんなものを八割も入れて蕎麦を打ったら、どうなるんでしょう?
      まずつながらないだろうけど、ぱさぱさして、苦くて、およそ食べられたものではないと思います。
      五割でもきついと思います。
      結局、二割から三割、小麦粉などに混ぜて、蕎麦っぽい色を出すだけのものです。
      (注:JIS規格では三割の蕎麦粉が含まれないと蕎麦と表示できませんが、
       三割以下の商品もあると私は思います。)
      そして、コンビニやスーパーで、蕎麦として売られるものです。
      ひょっとして、信じたくはありませんが、蕎麦を取り売りで営業する店にも、
      ああいう蕎麦を使う麺類店があるかも知れません。
      これは文化破壊じゃないでしょうか?
      蕎麦ブーム、手打ブームと言われていますが、実態はどうなのでしょう?
      あんなものでは、蕎麦のふくよかな香りも歯ごたえもまったく望めません。
      「悪貨は良貨を駆逐する」と言いますが、
      あれが蕎麦だと思われる方がいらっしゃったら、大変な文化破壊です。

      このページをご覧になる方、せっかくですから、
      蕎麦は良心的な麺類店で召し上がってください。
      製麺工場から取り売りをするのでなく、自家製麺で営業している店で。
      そして、まがいものを見破るだけの舌を養って、まがいものにNO!をつきつけましょう。
      結局、まがいものでも需要があるからコンビニやスーパーは販売し、
      製麺工場は生産し、製粉工場も製粉するのです。
      作り手に責任がないとは言いませんが、需要があれば生産するのがビジネスですから、
      ある意味責められない部分もあります。
      この悪いサイクルを止めるには、消費者がまがいものに金を使わないこと、
      それしかないと思います。
      この、よき伝統文化が破壊されませんように!
           

4月7日 昨日は、青年会で、蕎麦粉工場見学に行ってまいりました。
     近々、その時の写真なんかも青年会ページで公開しますので、
     また、興味のある方はどうぞご覧下さい。

     直接、店の蕎麦の製麺に影響するようなことではないと思いますが、
     蕎麦への理解は否応なく深くなりました。
     実から粉へつながるサイクルを実感できました。
     こういう理解が、製麺において大事なのだと思います。
     それと、石臼挽のこと。
     「石臼挽はロール機械よりも、熱が加わらない分、蕎麦の香りがとびにくい」
     くらいのことは知識として持っていましたが、
     かなりの違いを目の当たりにして、驚きました。
     石臼挽の生産性の低さも。あれでは高価なのも頷けます。
     私の店で使う「木鉢」は、石臼を一度しか通さず、
     しかも通りぬけるスピードが速いので、
     最も熱によるダメージの少ない蕎麦粉だということが分かったのも収穫でした。

     今や、素人用の蕎麦打ちセットが売れているご時世です。
     プロである私たちは、せめて、そういった方より、
     蕎麦の知識も経験も深くなければならないと思います。

     実から粉は分かりました。
     粉から麺へはよく知っています。
     となると、あとは種から実までですね…。
     試験的にでも栽培を体験してみなきゃ、いけませんね。

4月5日追記
     …しょうもないことですが、トップページにまた装飾を加えてしまいました。
     題字は私の母によるものです。
     「かどまる」ロゴやスーパー販売のみそ煮込みやころきしめんの文字、
     店内のお品書きもすべて母の字です。

4月5日 前回、蕎麦の勉強会について、青年会のHPをご紹介しました。
     プロと言えど、評価にばらつきがあったようですが…。

     味に関して、「好み」ということが言われます。
     私は、半分正しく、半分間違っていると思います。
     例えば、花子さんが気に入っている服を、太郎君は理解できません。
     太郎君が着ている服を花子さんは「ダサい」と思っています。
     この場合、服の好みというより、センスの優劣である場合があります。
     味に関しても、味わう能力の優劣があると私は思います。
     もちろん好みも否定しませんが、優劣という要素が少なからず影響します。
     ただ、絵画観賞や服装や、音楽能力なんかは優劣を認めても、
     食べることに関しては、それを認めないという人が多いです。
     しかし、確実に味わう能力の優劣は存在します。

     味の評価に関して言うと、
     舌の味らい(みらい、漢字が変換されません)による部分が多いように誤解されがちです。
     確かに、甘い・苦い・酸っぱい・塩辛いなどの味を判断するのはその部分ですが、
     味の解釈はそう単純ではありません。
     子供は成人に比べて味らいが多いのですが、
     子供のほうが味の解釈が優れているかと言うと、そうではありません。
     子供はカレーやハンバーグや、分かりやすい味を好みます。
     味の解釈は色の解釈と似て、経験が必要とされることが多いようです。

     私はかつて、あるイタリア料理屋(Aとしましょう)を最高に旨い店だと評価していました。
     その後行動範囲が変わり、違う地域でイタリア料理を食べつづけ、それでもイメージは
     Aが一番だと思っていましたが、ある日、
     皆を「最高のイタリアンに連れて行く」と吹聴して訪れたとき、愕然としました。
     A店の味が落ちたのではなく、私の舌が成長していて、もはやAの料理を
     美味しく感じられなくなっていたのです。
     そういった経験は蕎麦でもあります。
     うどん屋になってすぐ、高山である蕎麦屋を紹介されました。
     私はその蕎麦に感動し、自分の店の蕎麦を恥じ、
     蕎麦粉を吟味し、手打を勉強し、またあちこちの蕎麦を食べ歩いたりしました。
     一昨年その店を久しぶりに訪れたとき、やっぱりがっかりしてしまいました。
     その間、私は、自分の好みの蕎麦のタイプも変わり(進化し)ました。
     かつては黒っぽいほうが香りが強く美味しいように感じたのですが、
     今は白っぽく、歯切れのいいものを好んで使います。
     自分の積み重ねた蕎麦の経験から見ると、
     その高山の蕎麦は私にとって、簡単で平凡な蕎麦になっていました。
     特に、うどんのように食感が官能的で分かりやすいものと違い、
     蕎麦はある程度食べていただかないと理解できないタイプの食べ物だと思います。

     お客さんの舌のレヴェルも当然考慮されるべきで、
     その辺も踏まえた上でのことならいいのですが、
     蕎麦の試食会の時に、あまりにも「好み」と言う言葉が強調されるので、
     私は違和感を覚えました。

     また、舌のレヴェルは一度上がると、下のものでは満足できないので、
     お客様をがっかりさせないよう、常に上を目指して行くべきだとの思いを強くしました。
     

3月31日 桜も咲きましたね…。

      春らしく、ころきしめん発売の話をします。
      と言っても、店の話じゃありません。
      ご家庭用のスーパー販売のものです。
      また、サークルKさん、ヤマナカさん、ユーストアさん、Aコープさん、豊田生協さん等の他に、
      ユニーさんでも取り扱っていただける運びとなりました。
      結構自信作です。
      裏面には私の写真まで入ってます…。
      ぜひ一度ご試食下さい。
      そして、ご意見をお聞かせ願います。

      先週の土曜日、組合で蕎麦の勉強会をやりました。
      手違いでニ八蕎麦が同割蕎麦(5:5)になってしまい、
      ちょっと私には不本意なものになりました。
      ニ八でどうだったか、改めて個人的にテストしてみたいと思います。
      内容はプロ向けですが、興味のある方は覗いてみてやってください。
      http://toumenseinenkai.aikotoba.jp/

3月21日 お米のブランド表示について書いたところ、
      そんなに表示はあてにならないのか、とのご質問を頂きました。

      お米屋さんにしろ、他の業種にしろ、
      良心的なメーカーやお店もあれば、そうでないところもあります。
      同じ原材料表示がなされていても、ちゃんと作ったものとそうでないものができあがります。
      結局、そういう表示は目安に過ぎず、たよりになるのは自分の感覚だということです。

      同業の話を書くのは気が進みませんが、
      例えば、蕎麦粉の外国からの輸入量が一番多い都道府県はどこかご存知ですか?
      実は長野県がトップです。
      次いで北海道と、蕎麦の名産地が並びます。
      信州蕎麦だ、と現地でありがたがっていても、輸入蕎麦を食べていることが
      往々にしてあるのです。
      もちろん、信州の地場でとれた蕎麦粉を使う、良心的な店もあります。
      また、輸入蕎麦でも優れたものはたくさんあります。
      (下手な国産より、美味しい輸入はたくさんあります。
      それに国内需要のわずか2割しか、国産蕎麦粉の生産量はありません。
      質のよい輸入粉なしに、蕎麦業界は成り立ちません。)
      私が言いたいのは、自分の感覚で、自分の舌で、
      美味しいと思えば良いんじゃないでしょうか?ということです。
      お店もそうですし、お客さんもそうです。
      信州蕎麦だから、手打だから、老舗だから、テレビに出ていたから、ではなく、
      自分で美味しいか、美味しくないかを判断すること、
      それが騙されないためのもっともよい方法だと思います。
 

3月18日 昨日の中日新聞に、水素燃料電池の記事が掲載されていました。
      メタンから水素を取り出して発電する技術です。
      もう30年も開発しているそうで、将来的には太陽や風力エネルギーを使って、
      水から水素を取り出し、その電力で車を走らせ、さらに後には水しか出ないという、
      究極にエコな、素晴らしい技術のお話でした。
      技術者の地道な努力が目に浮かぶようで感激しました。

      素晴らしい技術者たちはどうやってその極みに達する仕事を成し得たのでしょうか。
      私は麺を打つ時、いつもクオリティーを維持することを心がけていますが、
      どこにレヴェルを設定するかという問題もあります。
      自分を技量を考慮せず、必要以上に高く設定すると、「これもあれもだめ」ということになって、
      あまりにも敷居を高くしてしまったり、馬鹿高い金額をつけることを正当化してしまいそうです。
      逆に低く設定すると、いくらでも麺を打てますが、質は際限無く堕落します。
      また、その設定は、日々更新されています。
      手打を始めたころの設定と、今日の設定と、数年後の設定は当然違っているはずです。
      例えば、私は手打を始めた頃、ノートに加水量などをメモしていましたが、
      自分の麺への評価も5段階で記入していました。
      今まで最高の麺を打てたとき、評価は5を超えていて、「GREAT!」と書きましたが、
      次の日には同じものが打てても評価はただの5、というだけです。
      評価の基準が変わってしまうのです。
      つまり、いい麺が打てたとき、設定は自然とわずかすつ高くなっていくのです。
      また、ゴルフの初心者があっという間にスコアを縮めて上達するのに、
      シングルさんは上達が目に見えないほど緩やかなのと同じように、
      だんだん評価を更新することが困難になってきます。
      あとどれだけ、自分はレヴェルを高く設定できるようになるでしょうか。
      結果的に非常にクオリティーの高い仕事ができるような設定にたどり着けるでしょうか。

      前述した技術者たちは、いったいどの程度の設定をしたのでしょう?
            

3月14日 トップページなんかに装飾を施しました。
      見やすくするのは難しいですね。
      今までダイヤルアップでネット接続していたので、
      テキスト中心のページが好みだったのですが、
      ようやくブロードバンド環境が整ったので、
      かどまるページもリニューアルと行きたいところですが…。
      素人で、稚拙で、イヤになってしまいます。

      お米のブランド表示に偽りがあったという報道がされていますね。
      今後、ますます出てきますよ。
      私は少しも驚きません。
      中には良心的な米屋さんもあって、心外に思われるかも知れませんが、
      基本的にあの業界は、ごまかしが日常的な業界です。
      角丸でも、いつの時代でも、出入りの米屋は二軒以上確保しています。
      見本をとって、味が良くて値段も安くても、信用できないのです。
      常に目を光らせて、悪いものを持ってきたら、
      一言も無く、取引を打ちきるよ…という姿勢を見せておかなければなりません。
      私の印象だと、特に夏場はひどい米を持ってきます。
      「この時期はどうしても…」というのを言い訳に、古米古古米を混ぜてくるのです。
      いくら新米が出るまでは端境期だからといっても、毎日扱っていればすぐに分かります。

      結局、ブランドなんてなんの当てにもならないということです。
      無農薬とか、オーガニックなんて表示も怪しいものですよ。
      ちゃんとつくられたものは、とにかく美味しい。
      そして美味しいものは身体にもいいと思います。
      マヨラーとか、病的な食嗜好を持った方は例外として、
      健康な方であれば、身体が欲するものを食べたくなるはずです。
      その本能に磨きをかけて、味を吟味して、
      自分で判断するのが最も良いでしょう。
      ブランドや表示にだまされてはいけません。

      ころきしめん発売の話を書きたかったのですが…。
      また次回。

3月5日 ずいぶん更新が開いてしまいました。
      三月は二月の分までまめに更新しますので、よろしくお付き合いください。

      海老沢泰久さんという作家がいらっしゃいます。
      非常に見事な文書を書く人で、私は大好きなのですが、
      彼の『美味礼賛』という本を紹介したいと思います。
      辻調理師専門学校の校長の半生を描いた作品です。
      食に興味をお持ちの方は必読です。
      そうでない方も、人生の大きなヒントがたくさん詰まった名著です。
      一読をお勧めします。

      その中にこんなシーンがあります。
      (以下、記憶を頼りに書きます、間違ってたらごめんなさい)
      生徒が初めて、正当のフォン・ド・ヴォーを味わいます。
      その美味しさに感動していると、校長にこのダシの原価はいくらくらいか、尋ねられます。
      本物の材料を駆使して作ったフォン・ド・ヴォーなので、
      スプーン一杯でもかなり高価です。
      食事を作ると、一皿が大卒の初任給くらいの値段になってしまいます。
      そして、校長がこう言います。
      「これは素晴らしいフォン・ド・ヴォーだが、残念ながら食べる人はいない。
      食事というのはお客さんがあって初めて成り立つ。
      お客さんがどういうものを求めているのか、考えた上で、売り値を設定し、
      それに応じて手を抜いたフォン・ド・ヴォーをとるのだ。
      例えばすね肉を使う部分を骨だけにしたり、分量を減らしたり、
      工夫次第で充分にお客さんを納得させられるものができる。
      ただし、本物を知らなければ、どこまで手を抜けばいいのかも分からない」
      確か、こんな感じだったと思います。
      本物を知る、ということ、そして、どういう人に食べてもらうのかを忘れないことだと思います。
      幸い、うどん屋は高級素材を使ってもそこまで原価が上がることはありませんが、
      例えば、海老の天ぷらに活けの車えびなどを使えば、それは美味しいでしょうが、
      うちのお客さんの層には合いません。
      ブランドものや、超高級素材が使えない代わりに、
      吟味して、吟味して、素材を選ぶ必要があります。
      海老だろうと、鶏肉だろうと、私は自信を持って選び抜いた食材を使っています。
      安易に高いものを使うほうが楽ですが、美味しくて値段を抑えられたものを使おうと思うと、
      手間をかけるしかありません。

      うどん屋は、手間の仕事です。
      手間を買っていただく仕事です。
      美味しい店を作るのに最も大切なことは、
      ドラマティックな料理法などではなく、例えば、小麦粉の封を切ったら、
      口を折り曲げておくとか、なるべく売り切る量だけをこまめに打つとか、
      そういう基本的な、誰でも知っていることを積み上げていくことしかないと思います。

      「ころきしめん」の話、麺用小麦粉の話、蕎麦粉のテストの話、
      書くことはいくらでもあるのですが、今日はこのへんで。
      なるべくこまめに更新します。

      『美味礼賛』は文庫も出ているようです。
      文春文庫から、638円。
      
      

1月30日 寒い日が続きますが、みそ煮込みのピークは、今年も過ぎたようです。
      こんなに寒いのに?と訝しがられそうですが、
      やはり人間は「盛り」よりも「走り」のものが好きなようです。
      暑くなる一歩手前のほうが、冷たいメニューが出ますし、残暑が残っていても、
      秋の気配を感じてみそ煮込みが売れるものです。

      このところ、連続して商売の話を書いています。
      ついでにもう一つお付き合いください。
      前に、高校時代からの親友と御飯を食べた時のこと。
      彼は非常に味がわかる人間だし、角丸のことも良く知っています。
      「味暦」は彼に紹介してもらった店ですし。
      その彼が、勉強になるから、と某有名みそ煮込みチェーンへ誘うのです。
      正直、私はあの有名店のみそ煮込みを美味しいと感じません。
      で、数回行ったことがあるが、勉強するところはない、違うところにしよう、そう言っても
      絶対勉強になる、と引きません。
      しぶしぶついて行き、みそ煮込みを食べました。
      私の知っている味でした。美味しいとは感じられない。
      はっきり言って、値段も高すぎる。
      帰り道、私が「やっぱり学ぶところはなかった」と言うと、
      「味には学ぶところがなくても、商売のやり方が勉強になるだろう」と言われました。
      「お前は安い値段で、質のいいものを出そうとして、実際ある程度クリアしている。
      しかし、あの店に来る連中は角丸では納得しない」と。
      第一に、一応、材料は良質なものを使っていること。
      これは私も感じました。良質なものを使っているが、活きていないと感じました。
      それにいくら材料がいいからと言っても値段との折り合いはついていない。
      第二に、一生懸命働いて、安いものを食べたのでは納得しない人もいる、
      高いから、自分のプライドも満たされる。
      第三に、店の人間はネクタイなど締める必要はない、
      外まで見送る必要はない、この店では、そういうゴルフ場的な、クラブ的な
      偉い人間として扱われたい人間を満足させる応対をしている。
      言わば、三つともプレゼンテーション的なことだ、だが、それを求める客もいる、
      角丸みたいな商売もあるが、こういう商売も成り立つ、と。

      私は心から納得し、不勉強を恥じました。
      自分の店のやり方を勉強するだけでは駄目だと言いたいのです。
      でも、私は角丸のやり方にプライドを持っています。
      適正な価格で質の良いものをお出しする。
      余計なプレゼンテーションはしない。
      つまり、手打だとか、どこそこの伏流水使用とか、書かない。
      過剰なサーヴィスはしない。美味しいものを出すことこそ最高のサーヴィス。
      純粋に中身勝負で、やっていきたい。
      件の同級生も、角丸はそれでいいことは百も承知なのです。
      そういう商売のほうが好きなのです。
      敢えて、私に教えてくれたのです。

      商売のやり方に関して、もう少し書くべきことがありました。
      それはまた次回に。

1月27日 昨日は麺類組合青年部の新年会がありました。
      ご一緒させていただいた親の組合の支部長から、非常にためになる話をいろいろ聞かせていただきました。
      話は多岐にわたるのですが、ちょうど25日に書いたことと関連深い話がありましたので紹介します。

      昭和初期、うどん屋は外食産業の花形でした。
      生活に密着し、うどん屋の数も非常に多かった。
      そして、お昼御飯を食べるなら、麺類店が一番安上がりだった。
      しかし現在、デフレが進み、ハンバーガーは59円の時代です。
      サラリーマンはお昼を300円くらいで済ませることができるようになりました。
      このデフレが続くようだと、うどんは、主食ではなくなり、嗜好品になるかも知れないというお話でした。
      日常的に食べるものではなく、特別に食べる料理になるということです。
      例えば、アジア各国料理店のように、日常の食事でなく、
      嗜好としての店になるということです。
      それが悪いのではなく、そういう考え方に切りかえる必要があると。
      もし、主食としてやりたいのなら、
      もっと原価の安い小麦粉を使い、売り値を落として対抗するしかないだろうと。
      59円のハンバーガーのパンは、いくらの小麦粉で作るのか考えろと。

      きっと実際にそうなりつつあるのだと思います。
      非常に危機感をあおられる話でした。
      私は、うどんを主食として食べていただきたいと思っています。
      特別なものでなく、気軽に。
      とことんこだわって、特殊な食事にはしたくありません。
      うどんは懐石ではない。
      しかし、小麦粉の品質を落とすなど、クオリティーの低いものを売りたくはありません。
      あくまで、みそ煮込み650円、そのラインの中で、吟味したものをお出ししたいのです。
      ジレンマです。
      そんな時代が来ないよう、デフレが加速しないよう、祈っています。
      クオリティーを落とすなんて、絶対出来ない性分ですから。
      

1月25日 スーパー販売のみそ煮込ですが、静岡のサークルKでもお求めになれるようになりました。
      某大手スーパーでも取り扱いが増えるかも知れません、その節はお知らせします。

      スーパー販売のみそ煮込みが好評なため、夏バージョンとして、「きしころ」を
      商品化する動きが始まっています。
      角丸では、独特の甘味の少ないおつゆを使うのですが、
      そういう仄かな味を出すのは難しいそうです。
      これも、角丸の看板を汚さないクオリティーのものが仕上がらなければ、決してGOを出しません。
      夏に間に合えばいいなとは思っていますが、またこのページでその後をお知らせします。

      また、スーパー売りとは別に、角丸本店(支店があるわけじゃないですが)のみで取り扱う、
      お土産用みそ煮込みも企画中です。
      麺を、店で使っているのと同じものにして、スープの素をつけて販売しようかと計画中です。
      ただ、日保ちしないので、その日に食べていただく商品になります。
      また、冬場でないと、お持ち帰りの時間が心配です。
      今年テスト販売にこぎつけるか、どうか、ぎりぎりです。
      今秋10月ごろの販売を目指して準備致します。
      その節はよろしくお願い致します。

      なんだか、ずいぶん宣伝してしまいましたね。
      私は、非常に職人タイプの人間で、商売ッ気に欠けるきらいがあります。
      すぐに、採算度外視で食材を吟味したり、気に入らない出来の麺を廃棄したり。
      放っておくと、どんどん「こだわり」の道へ行こうとしてしまうので、
      それを自制する毎日です。
      そういった意味合いもこめて、「初めてご覧になる方へ」のページで
      「角丸はこだわりの店ではない」と書いたのです。
      かつて、呑むと口癖のように、
      「俺は儲かるうどん屋になりたいんじゃない、いいうどん屋になりたいんだ」
      と、口幅ったいことを行っていた時期がありました。
      (今でも言いそうですけど)
      そんな時、大阪FM802時代にお世話になった谷口氏が名古屋へいらっしゃって、
      「そういう立派なことを言っちゃ駄目だ、儲かってナンボ、金になってナンボで行かないと、
      間違った方向へ進むぞ」とお言葉をいただいたのです。
      尊敬する谷口氏の言葉に、私は、自分がいい気になっていたことを思い知りました。
      当たり前のことですが、仕事が人生でもっとも大事なことではなく、
      生きるために仕事が必要で、だから一生懸命やっていく、ということです。
      商売至上主義の人間には違うことをおっしゃったと思います。
      私は商売的に要領よくやることが難しい人間なので、そうおっしゃっていただけたのだと思います。
      そのことに気付くと、テレビによく出る、やたらこだわったエセ職人風料理人が
      鼻につくようになりました。
      自分もああいう悪臭を放ち始めていたことを気付かせてくれた谷口さん、感謝しています。
      また、名古屋へ来てくださいね。

      そうは言っても、なかなか職人根性から、完全に脱皮しきれないでいますが、
      商売としてのうどん屋の意識を忘れずに行こう、と常に思っているのです。
      そのためには、上記スーパー売りなどの「事業」的なことも、
      私にとって、リハビリとして、大事なことなのです。
      

1月6日 明けましておめでとうございます。
     本年もよろしくお願いいたします。

     本日の初営業に備え、昨日は仕込みをしました。
     みそ煮込みの麺は、通常、一部工程で機械を使って能率を上げているのですが、
     昨日その機械を使おうと思ったら!故障していて、非常に参りました。
     修理依頼しようにも、メーカーは正月休みです。
     本当に、名古屋弁で言うと、「往生しました」。
     やっぱり、機械も人間と同様、休みに入って機が緩むと、調子を崩すのかも知れません。
     おかげで、大変な労力を費やして、全工程を手打作業にて、仕込みを終えました。
     実に、いつもの四倍近い時間がかかりました。
     機械を上手に使うありがたみを噛み締めました。

     というわけで、本日1月6日営業分に限り、
     すべて手打のみそ煮込みをお出しいたしました。
     若干、いつものものと、食感が違うと感じたお客様もいらっしゃったと思います。
     「幻」だ、と思って、許してくださいますとありがたく存じます。
     今後、そのような「味のぶれ」が、なるべく出ないよう、気をつけます。

     おいしかったから、これからはあれにしてくれ、とは言わないで下さい!
     わたしの腰が悲鳴を上げてしまいます。
     それと、いつも読んでくださっている方はおわかりだと思いますが、
     「機械打ち賛歌」ではないので、ひとつよろしくお願いします。

     本年が、皆様にとっても、私どもにとっても、よい年でありますように…