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1月14日 「PS」第三位
1月15日 尾張・名古屋カレー煮込み
1月17日 不確かな味覚
1月20日 週刊大衆に掲載
1月25日 食品の衛生と美味しさ
1月29日 唐辛子の詰め替え
2月2日 円高なのに?
2月3日 懐かしい写真
2月12日 過剰な接客
2月23日 川井屋のだし
3月1日 春の雨の角丸
3月10日 機械の故障
3月14日 地震と津波
3月18日 地震への対応の仕方
3月22日 お一人様一品のご注文を
4月25日 GW営業のお知らせ
4月25日 気仙沼炊き出し
4月30日 寒晒し
5月5日 食中毒について
5月6日 純米酒ハイボール
5月7日 大感謝祭(500円クーポン進呈!)
5月14日 息の長い、視野の広い支援
6月30日 いよいよ
7月1日 カレー煮込みスタート!
8月2日 お盆休みのお知らせ
8月11日 煮込み麺の特性
10月6日 牡蠣
10月13日 新蕎麦
12月17日 年末年始営業のお知らせ

12月17日 あることに忙殺されて、更新をさぼっているうちに年の瀬まで来てしまいました。
       寒くなると多くの方に思い出していただけるようで、本日もたくさんのお客様にお運びいただきました。
       ありがとうございます。
       これからも、お越しいただいたお客様に、他では至らなくとも味で満足していただくことを第一に考え、
       精進して参りたいと存じます。

       年末年始の営業は、以下の通りです。
       12月28日まで通常営業
          29日は 11:00〜15:00 営業 ※但し売り切れの場合は早終いいたします。
       1月5日より通常営業

       よろしくお願いいたします。




10月13日 今年の新蕎麦が入荷しました。
       ここ数年あまりいい新蕎麦にはあたりませんでしたが、今年のは香りが凄いです。
       打っているときから、幸せになるほど香ります。
       夜お風呂に入っているときに、掌からほんのり香って驚きました。
       福井県産新蕎麦、ぜひどうぞ。

       去年は群馬、雨竜、福井と産地を変えてお出ししていましたが、
       今年は福井一本で来ています。
       私のなかに、ぼんやりしたイメージがありました。
       「(鬼皮を取った後の)抜き身だけを粗挽きにして、篩わずに打ったら美味しそう」というものです。
       元来、粗挽きが好きなのですが、雑味が残るのが気になるようになってきました。
       かといって、丸抜きを挽くと細かくなりすぎる傾向があり、つるんとしたお蕎麦になってしまいます。
       つるんが悪いわけではありませんが、喉をかっぱじくような粗挽きのお蕎麦が私の好みです。
       それを解決できないかと、上記のイメージを漠然と持っていたところ、
       ワタライ製粉さんから「実は私も同じことを考えていた」との言を頂戴し、
       開発を依頼した次第です。
       試行錯誤の結果、香りが強く、雑味が少なく、それでいて粗挽きの野趣を残すお蕎麦ができあがりました。

       新蕎麦で味わうと格別です。
       寒い時期はお蕎麦が出ない時期ですが、美味しいですよ。

10月6日 牡蠣の初荷が届きました。早速試食!
      
       去年は苦労しましたが、今年の牡蠣は美味しい!
       やっぱり味噌と牡蠣は絶妙ですね!
       みそ煮込み牡蠣入りは1,100円です。
       プリプリの牡蠣が4個入ります。
       ぜひご賞味ください。



8月11日 連日暑い中、熱いメニューを召し上がっていただきありがとうございます。
       カレー煮込みもみそ煮込みも、味が徐々に変化していく姿を楽しんでいただける料理だと思っています。
       例えばカレーうどんなら、お出しした瞬間が一番おいしく、冷めるにしたがって麺ものびてしまいます。
       対してカレー煮込みの場合は、お出しした瞬間はスパイスのパンチを楽しんでいただき、
       その後徐々に麺とスープが一体に、まろやかになっていくのを楽しんでいただけると思います。
       土鍋は保温性もいいですしね。
       最後のもっともおいしいひと口に向かって、計算して作り上げた味ですので、
       ぜひ最後までお楽しみいただけたら、と思います。



8月2日 お盆休みのお知らせ

      8月12日(金)まで平常営業いたします。
      13日より16日までお盆休みをいただきます。
      17日(水)よりまた営業いたします。

      市場が閉まる都合上、どうしてもこのような日程になってしまいます。
      悪しからずご了承ください。

7月1日 ついにカレー煮込みスタートしました!
      
      平日の角丸は、メニューをご覧にならずに注文される方が多いので、
      10食だけご用意していましたが、あっという間に完売し、追加仕込みしました。
      ありがとうございます。

      ●

      先日海老が良くない日がありました。
      赤みが強いので、嫌な予感がしましたが、案の定、匂いがありました。
      すぐに仕入先に連絡しましたが、結局その日は海老天無しで営業しました。
      お客様に変なものをお出しして、信頼を損ねるほうが怖いからです。

      逆に仕入れ業者は大きく信頼を損ねました。
      海老に関しては、今後は他の業者と競争しながらになります。
      たった一度、でもその一度が怖いのです。
      カレー煮込みのブログにも書きましたが、信頼できる業者になるには10年かかります。
      角丸も何十年もいただいた信頼があり、そこに関しては、私は慎重すぎるほど慎重になってしまいます。



   

6月30日 いよいよ明日から、カレー煮込みを発売します!
      構想からずいぶん時間が経ちましたが、あっという間のような…。
      今日現在で30軒のうどん屋さんがカレー煮込みに登録してくれました。
      ありがとうございます。

      酷暑に節電の夏ですが、カレー煮込みで暑さをふっとばしましょう!
      
      

5月14日 今週は東京で全国麺業青年連合会の会議がありました。
       その席に、茨城県の会長さんもいらっしゃっていて、
       「茨城は、地震・津波・放射能・風評被害と、今回の震災の縮図のような被害が出ている。
        しかし、もちろん実際にそうであるかも知れないけれど、宮城や岩手より被害が軽く見られてしまって、
        支援が充分とは言えない。」という趣旨のお話をされました。
       確かに、「がんばろう東北」なんて言葉はよく耳にしますけど、
       茨城の人は無視されたような気分になるのでしょうか。

       ロックをほざく胡散臭いジジイの逮捕がトップで、アイドルの自殺が続き、原発問題が続く。
       いつの間にか、ニュースから被災地の映像が減ってきています。
       ニュージーランドの地震のことを、今や誰も口にしなくなったように、
       今回の震災被害もいつか忘れ去られてしまうのでしょうか?
       気仙沼の方たちも、忘れられてしまうことを恐れていました。
       実際にゴールデン・ウィークが過ぎて、ボランティアは激減しているそうです。

       私が見た限り、ちょっとやそっとでは元に戻りません。
       工事や建築に関しては素人なので、どのくらいで復旧するのか、検討もつきませんが、
       それでもかなりの日数が必要なことくらいは分かります。
       水や電機やガス、あれだけ広い範囲だと、全地域に復旧するにはどれくらいかかるだろう?
       地盤沈下だけでも復旧の妨げになります。
       瓦礫の撤去場所も足りません。
       一年経ったら?二年経ったら?
       私にはそれでもまだまだ足りないように感じられました。

       視野の広い支援。
       テレビでよく名前の出る市町村は恵まれていますが、
       そうでない地域では物資が不足しているところもあります。
       全体的に、夏物衣料が不足してきているそうです。
       そして、息の長い支援。
       ダッシュでなく、マラソン。
       私はひとまず、五年の支援計画を考えます。
       五年で足らなければ、延長しますが、ひとまず五年。
       あの時見た風景が、忘れられないのです。
       五年間の間に何ができるか、皆様にも一緒にお考えいただければ嬉しく思います。



5月7日 本日もありがとうございました。
      寒晒しは今日はあまり動かず、パートさんの口に入り、大喜びでした。
      また来年も手に入ったら、お出ししたいと思います。

      ●

      さて、名古屋手打研究会の主催事業で、大感謝祭をすることになりました。
      これは手打研究会加盟店が、指定期間にお食事をされたお客様に、
      500円分のお食事券をプレゼントするものです。
      そして500円のチケットは、100円ずつ5枚綴りになっていて、
      お店の指定期間中に、お一人様一回一枚ずつ、お使いいただけるというものです。
      角丸では、5月9日より一週間(但し1000枚配り終えたら終了)お食事券を配布し、
      5月16日より5月31日までの期間にお使いいただけることと致します。
      角丸では、このような値引きやクーポンを、いままで一度もやったことがありませんので、
      非常にドキドキします。
      ぜひこの機会に、角丸でお食事をして、金券を手に入れてください!
        



5月6日 4月30日に予告した通り、今日は寒晒しをお出ししました。
      このページを見ていただいたからか、たまたまか分かりませんが、
      12時を待たずに売り切れとなってしまい、申し訳ありませんでした。
      明日も少量ですが、打ちます。

      ●

      先日、気仙沼に炊き出しに行った日、山形に帰って後片付けが済んでから、皆で一杯やりました。
      
      このお酒は、気仙沼の居酒屋さんの冷蔵庫の中で、津波に負けずに生還したお酒です。
      ラベルは剥がれてしまって、ありません。
      たった二本だけ生き残ったお酒を分けてもらって、炊き出しのメンバーでいただきました。
      運が良くなりそうな、しみじみ染み渡る、いいお酒でした。
      今日見た気仙沼の光景を浮かべて、それぞれの想いを噛み締めながら、ゆっくりと味わいました。

      ●

      こう書くと、私はお酒にうるさそうですが、実は日本酒はあまり得意ではありません。
      ビール党なので、あおるペースが早すぎるのかな…
      学生時代のスキー部の、常軌を逸した呑まされ方がたたっているのかな…
      ビール、ワイン、ウイスキーも好きですが、日本酒は正直、苦手でした。
      ところが炊き出しもご一緒した太郎さんという方が、こうおっしゃいました。
      太郎さんは日本酒を作って、お店で販売もしていらっしゃる、純米酒命の方です。
      (私と誕生日がほとんど同じということで盛り上がりました。)
      日本酒を、夏はハイボールに、冬はお湯割りにしてはいかがですか、とおっしゃいました。
      曰く、
      「もちろん原酒は旨い。しかし、日本酒は度数が低いとは言えない。
      二日酔いになるリスクを冒してまで呑むものかは疑問。
      市井には、日本酒の飲み方にうるさい人も多いが、
      酒本位から人本位にシフトすることで、日本酒と上手に付き合ってください」。
      私は眼から鱗の思いでした。
      お酒を造っていらっしゃる方が、こんなに柔軟な発想をしていらっしゃるとは!
      今私は、自宅で太郎さんの「六根浄」をハイボールでいただいています。
      濃いめに作ると、しっかりしたお酒の甘味も感じられて、これは旨い!
      はまります。

      人本位。
      私も麺本位でなく、人本位でお客様に接していきたいと思います。
      人それぞれ、いろいろな楽しみ方があって、いいんですよね。
      それに気付かせてくれた、得難い出会いでした。
      ますます山形が身近になってしまいました。

      正酒屋 六根浄





5月5日 連日、焼肉店でのユッケの食中毒について報道されています。
      お亡くなりになった方は、本当に気の毒だと思います。
      まさか外食して食あたりで死ぬなどと、想像していらっしゃらなかったと思います。
      同じ外食産業の一員として、心よりご冥福をお祈り申し上げるとともに、
      入院中の方々の一刻も早い回復を祈念し、改めて自店の衛生管理の徹底を心がけたいと思います。

      今回の食中毒事件がどうして起こったのか。
      もちろん要因は様々でしょうし、見直すべき部分は多岐に渡るでしょう。
      そのチェーン店の衛生管理、焼肉業界全体の問題、食肉卸業者の問題、行政の問題などなど。
      その中で、私が思うことを二点書きます。

      まず、行政の話ですが。
      1月25日に、食品衛生責任者講習へ行った時のことを書きました。
      正直に言って私が感じたのは、厳しすぎて実態と乖離しすぎているということです。
      肉は中までしっかり火を通さなければダメ、生食はもってのほか、云々。
      聞いていて、頭に入りません。
      角丸はほとんどの料理を、加熱して召し上がっていただくため、リスクは非常に小さいのですが、
      生ものを扱う店だったとしても、耳に入ったかどうか。
      現実的に言って、美味しいものを美味しく食べてもらうには、
      火を入れすぎないことも一つの技術だと思います。
      ところが、行政は無理難題を言うばかりです。
      あれは、問題があったときの自己保身しか考えていないようなもので、現実的には無理な話です。
      だから、生食用の基準を満たした牛肉は流通していません。
      理論上は。
      でも、実際はどのお店でも生肉を食べられる。
      こんなおかしな状況を打開するために、行政は現実味のある指導、基準を作るべきだと思います。

      そして、今回のユッケの売値。
      今回の事件は、安売り競争のエスカレートにより、起こされたような気がしてなりません。
      一番大事なのは、食品は職人が触ること。
      アルバイトでは、ダメです。
      ところがあの売価では、職人を使えませんし、仕入れも質を落とさざるを得ません。
      「生肉は怖い」ではなく、安物が怖いのです。
      (高ければいいわけではありませんが)
      例えば角丸の近くでも売られているお弁当。
      もしあなたが弁当屋なら、たった200円や300円で、あの弁当をどうやって作りますか?
      職人が、吟味した材料を使っていると思いますか?

      どうか、食べ物には適正価格があることをご理解いただきたいと思います。
      でないと、今回の悲劇が教訓とならないと思います。

      ●

      ちなみに、腸を筒状のまま裏返しにして焼く、シ●コロというB級グルメがありますが、
      牛豚の腸管には、危険な病原菌が多く、筒状では掃除が行き届かないため、
      筒状のまま出荷するのは、国内では禁じられていると聞きました。
      ということは、あの料理はすべて外国の腸ということになりますね。
      ちょっと信用できないかな…





4月30日 やっと気仙沼炊き出しの疲れが癒えてきました。
      往復の移動時間が16時間、そして作業に加え、かなり呑みましたからね…。
      その様子をテレビで観たという方がいらっしゃいましたが、
      名古屋でオンエアがあったのでしょうか?
      炊き出しの最中は取材クルーはいませんでしたが…

      炊き出しをしているところの、写真が届きましたのでご覧下さい。
      今回は大鍋でみそスープを沸かし、デボで麺を湯がく方式を採用しました。
      厳密にはこれでは最高のものはできませんが、ある程度の妥協も必要です。

        

      

      最高のメンバーでした。


      ●

      カレー煮込みのホームページがリニューアルしました。
      ぜひ一度、見てやってください。
      

      ●

      山形へ行った折、珍しい蕎麦粉を分けてもらいました。
      「寒晒し」と呼ばれる粉です。
      これは、秋収穫した蕎麦の実を、大寒の日に雪深い清流に沈めておき、
      立春にそれを取り出し、啓蟄まで寒風に晒しておく、というものです。
      かつては将軍献上品だったそうですが、あまりの手間に、一度廃れかかったものを、
      山形で復活させたものだそうです。
      この作業により、蕎麦のアクが抜け、甘味が強くなるそうです。
      それがちょうど、私が山形を訪れた日に、蕎麦粉になってできあがったそうで、
      私は寒い思いをすることもなく、少し分けてもらいました。

      名古屋へ帰って試食してみましたら、驚くほどの甘味の強さ!
      蕎麦の風味が抜けるのかと思いきや、かえって凝縮されたような感じです。
      雑な味が抜けて、清涼な蕎麦の風味のみが上がってきます。
      自分だけで食べるのは勿体無いので、GW明けの6日(金)と7日(土)のみ、
      完全数量限定でお出しいたします。
      滅多にお目にかかれるものではないので、ぜひこの機会にお召し上がりください。


4月25日 ※少しでも多くの方にご覧いただきたいため、ほぼ同じ文章を複数のメディアに書き込みました。

      4月23・24日、気仙沼にみそ煮込みの炊き出しに行ってきました。
      震災以降、ずっと何かお役に立ちたいと思っていましたが、
      具体的に何をどのようにすればよいのかが分からず、
      忸怩たる思いをしていたところ、山形の前青年会長である、第二公園山長の山川さんに声をかけていただき、
      炊き出しが実現しました。
      山川さんは、今回で3度目の炊き出しです。
      こちらの都合に合わせていただいたせいで、山川さんは日曜日お店を休んで付き合ってくれました。
        山形は桜が満開でした。


      最初はゲリラ的に炊き出しをすることも可能だったようですが、
      今は避難所の三食はきちんと決まっているので、事前に申し込みをしておく必要があります。
      かつて山川さんが住んだことのある気仙沼の知り合いに話を通してもらい、
      気仙沼でも特に奥にある避難所へ行くことになりました。
      避難所には格差があり、しょっちゅうテレビが来たり芸能人が訪れたりの場所もあれば、
      ほとんど炊き出しを受けられていない場所もあります。
      今回行ったのは、場所が不便であることと、大変危険な場所であることから、
      今まで炊き出しを受けたことのない避難所でした。
      ここは電気もガスも水道も未だ不通ですので、
      水もプロパンガスもすべて用意して行かなければなりません。

      あらかじめ削り節と味噌などの調味料を山形へ送り、麺は土曜日にこねたものを持って山形へ行き、
      土曜日の夜、山川さんと一緒に製麺や仕込みをしました。
      そして翌日曜日の朝、山形県麺類組合の車で気仙沼に移動しました。
      山形青年会から他に3名と、「六根浄」という日本酒を作っていらっしゃる方が、一緒に行ってくれました。
      他にも宮城青年会から5名、宮城の親組合気仙沼支部から3名が現地に応援に駆けつけてくれました。

      山形からおよそ3時間の道のり、震災の影響でかなりの「ちんさむロード」になっていました。
      上下水道の完備されている地域で最後のトイレ休憩、そして現地スタッフから改めて注意を受けます。
      今回の避難所は、海沿いをずっと走る必要があるため、非常に危険であること。
      万が一地震があった場合は、速やかにすべての作業を中断して高台へ避難すること。
      遅くとも15分以内に避難を完了させること。
      避難する際は、他人に構わず、自分の身の安全だけを考えること。
      (実際その教えの徹底された地域では、ほとんど亡くなる方がなかったそうです。)
      注意を受けているうちに、危険な場所に行くのだということを痛感させられ、
      いやでも緊張感が高まります。

      現地へ通じる最後のトンネルを抜けた途端、眼に飛び込んできたのは信じられない光景でした。
      海から1キロほど離れている場所に、巨大な船が転がっています。
      車も瓦礫もすべて積みあがり、街全体が消えてしまっています。
      テレビなどでよく見ていたので、それほど驚かないと思っていたのですが、
      実際に目の当たりにすると言葉を失いました。
      あたりには重油の匂いが立ち込め、埃も舞い散っていました。
      私の力では、説明する言葉が見つかりません。
      私は戦争を知りませんが、空襲を受けた街とはこのようなものだろうかと思いました。
      そして走れども走れども、まともに建っている家はありませんでした。
      風光明媚な港街は、瓦礫に埋もれてしまっていました。
        

         
      
      現在は道路上の瓦礫を左右に押しやり、やっと車が走れるような状況でした。
      それでもいくつかの部分で冠水し、回り道をしながらの移動になりました。
      前日の雨が溜まったのかと思いましたが、水は地面から湧きあがっていました。
      地盤沈下しているため、満潮が近くなると冠水する場所が多数あるようです。

      避難所には約60名の方がいらっしゃいました。
      みそ煮込みは食べたことがないから、楽しみにしていましたと言葉を貰いました。
      鶏肉・油揚げ・椎茸・ねぎに、牡蠣も入れたみそ煮込みを、大鍋で作りました。
      80名ぶんを想定して、材料は多めに持って行きましたが、お代わりもたくさんいただき、
      すべて無くなるまで奇麗に食べてくれました。
      他にも山形青年会が揚げたて天ぷらと、ロールキャベツを振る舞い、
      デザートに名古屋から持っていったういろうを差し上げました。
      皆さんの笑顔が忘れられません。
      特にお年寄は皆さん元気で、とても明るかったのが印象的でした。

      避難所には、物資はたくさん集まっていました。
      余ってきているものもあるようで、私たちは帰るときにおにぎりを渡されたほどです。
      中には不足しているものもあるでしょうし、全体的に不足がちの地域もあるでしょうが、
      気仙沼に関しては、物資が足らない状況では無かったと思います。
      今一番必要なのは、「非日常」の楽しさでは無いかと思います。
      先の見えない閉塞感のなか、名古屋から非日常を少しは届けられたかな、と思っています。

      被害はとても大きく深いもので、まだ復興へは遠い道のりになるだろうと思われます。
      ライフラインの復旧ですら、まだまだ長くかかるだろうなと思われました。
      私が見た範囲だけでも相当のダメージですが、隣町もその隣町もすべてが被害を受けています。
      陸前高田にいたっては、気仙沼の方ですら、言葉を失ったと聞きました。
      瓦礫を撤去するにも、運ぶ場所が無いのが現状です。
      現地の方は、「今はブームのように、お祭りのように、皆さんが助けてくれる。
      それはありがたいが、果たして半年後や一年後、二年後まで、皆はたすけてくれるだろうか?
      忘れ去られてしまうのが一番怖い」と話していました。
      必要なのは、たとえ細くとも長く続けていく支援だと思います。
      被災地は、ゆっくりゆっくり回復していきます。
      私も、それに合わせてゆっくりと息の長い支援をしていきたいと思います。

      支えるためには、体力が要ります。
      今まで以上にしっかりと商売に精を出し、体力を蓄える必要があると思います。
      山形では外食離れが大きく、どのお店も売上が半分以下になってしまったそうです。
      できれば消費者の方々は、こういう時こそお金を使って欲しいと思います。
      山形のメンバーはこの先も、ずっと炊き出しを続けます。
      その体力を、消費者の皆様に支えていただけたら、と思います。
      よろしくお願いいたします。

      今回ご一緒した方のお店
      ・第二公園山長 023-622-2963
      ・庄司屋
      ・新富
      ・三幸 023-622-1536
      ・お酒「六根浄

      最後になりましたが、私がこういうことを書くことを、
      スタンドプレーだとお感じの方もいらっしゃると思います。
      偽善とお感じの方も、ええかっこしいとお感じの方もいらっしゃると思います。
      でも私は「成さぬ善より成す偽善」のほうがずっといいと思います。
      私はこれまでの人生で、動かなければいけなかった時に、
      何らかの理由をつけて動かなかったことがあります。
      その経験は、大きな後悔となって、今の私に降りかかっています。
      今の私は、うどんを作ることができます。
      できることがあるなら、そして縁があるなら、やらないと後悔すると思い、行ってまいりました。
      行って本当に良かったと思います。胸のつかえがとれたような気分です。
      たった一度行っただけ、でもその一度があるから、二度目を考えることができます。
      いいところ、半年か一年に一度しか現地に足を運べないと思いますが、
      それでもずっと続けて行きたいと思います。
      あの気仙沼で、最高に美味しいと評される魚を食べられる日が来るまで。
      微力ながら、続けたいと思います。

      これからも長い長いスパンで、支援を考えてあげてください。
      私一人では大したことができません。
      今回も山形のメンバーのサポートがなければ、何もできませんでした。
      今度は、私が今回の経験を活かし、誰かのサポートで現地へ行くのもいいなあと思います。
      願わくば、これを読んでくれた方が、ご自分の番が来たときに、
      それぞれのできる範囲の支援を考えてくだされば、嬉しく思います。

      頑張りましょう、日本!

4月25日 GW営業のお知らせ
      ゴールデンウイークは、基本的に暦通りの営業ですが、
      5月2日のみ、15時までの営業とさせていただきます。
      つまり、
      4月29日(祝)定休日
         30日(土)11:00〜14:00営業
      5月1日(日)定休日
        2日(月)11:00〜15:00営業
        3日(祝)定休日
        4日(祝)定休日
        5日(祝)定休日
        6日(金)11:00〜19:30営業
        7日(土)11:00〜14:00営業
        8日(日)定休日

      よろしくお願いいたします。

3月22日 カレー煮込みプロジェクトも、いよいよ仕上がってきつつあります。
       勉強会も次の段階として、今日から参加店を巡り、試食会を開催します。
       その内容につきましては、またカレー煮込みブログにて報告します!

       ●

       いつからでしょうか、最近特に若いお客様に多いのですが、複数名で一つのご注文をされることがあります。
       雑誌片手の方が多いところを見ると、おそらく食べ歩きをしていらっしゃるのだと思います。
       一つの店で、お腹一杯にしてしまいたくないのでしょうね。
       そのお気持ちは分かりますが、角丸では、お一人様一品のご注文をいただくよう、お願いすることに致しました。
       理由は大きくふたつあります。

       まず、商売上の理由ですね。
       表に並んでいらっしゃる中、テーブルを占拠された上、一品しかいただけないのでは困ってしまいます。
       角丸は薄利多売で、お値打ちに提供している自負がありますので、ご了解願いたいと思います。

       次に、みそ煮込みを味わっていただくなら、一品をおひとりで食べていただかないと、
       味を本当に理解していただけないと思うからです。
       私は常々、「一口で旨いものは、本当に旨いものではない」と思っています。
       食べ進むうちに止まらなくなるものこそ、美味しいもの。
       みそ煮込みという料理は、一口めと最後とでは、味が変化していきます。
       だんだん麺に水分が吸収され、麺はスープとの一体感が増しますし、スープにもコクが出ます。
       これは、ラーメンやうどんとは違う、みそ煮込みの特性だと思っています。
       4〜5名で一斉に取り皿に取り分けてしまっては、みそ煮込みの真価は味わっていただけません。

       ですから、おひとり一品のご注文をいただきたいと思います。
       もちろん、幼児をお連れの方にまで、ひとり一品とは申し上げません。
       偉そうなことを申し上げますが、よろしくお願いいたします。

       (なお、この書き込みは、「初めてご覧になる方へ」にも転載しておきます。)



3月18日 プロ野球セ・リーグは予定通り開幕するそうです。
       これを、賛成!という方と、けしからん!という方とがいらっしゃるようですが、
       私は前者です。
       おそらく、プロ野球選手は、試合がなくても野球の練習をして過ごすはずです。
       プロ野球選手は、野球をするのが仕事で、逆に言うと、こういう時にできることは野球だけです。
       今、人海戦術が求められているのなら、話は別ですが、
       野球選手が、試合がないからと、被災地で瓦礫をどかしたりすることはないでしょう。
       だったら、自分にできることをやったほうがいいと、私は思います。
       自分の仕事を通じて、お金を稼ぎ、その一部を被災地に回したほうがいい。
       避難場所を訪問して勇気づけるという活動もあるでしょうが、
       野球選手は、一番輝けて、一番人を動員できるところで活動するほうがいいように思います。
       私だって、体力に自信があるとは言え、被災地で何らかの助けができるとは思いません。
       私にできることは、うどんを売ること。
       そして、組合活動を通じて、被災地の助けになることを探すこと。
       今、仕事ができていることは幸せです。
       被災された方のぶんまで、しっかり仕事をしなければならないと、私は思っています。

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       カレー煮込みブログにも書きましたが、今回のカレー煮込みの全体販売期間が終わったら、
       参加店に募り、売上の一部を寄付しようと思います。
       大したことはできませんが、それでもやらないよりはいい。
       私は私にできることを、やり続けたいと思います。



       3月22日追記 プロ野球開催には賛成ですが、計画停電地域でのナイターは時期尚早だと私も思います。

3月14日 日に日に地震と津波の被害が明らかになってきて、その大きさに唖然とさせられます。
       カレー煮込みブログにも書きましたが、私も阪神大震災を西宮市仁川地区で被災した一人です。
       どうやら、揺れの大きさだけ見ると、阪神のほうが被害が大きそうですが、
       今回は津波の恐ろしさを見せつけられた気が致します。
       このところ、津波情報が出ても、0.1mとか、あれ?と思う数字が続き、なめていたのかも知れません。
       今回の地震と津波の被害に遭われた方に、心よりお見舞いを申し上げるとともに、
       一日も早い復旧を祈っています。

       ●

       ただ、今回の地震に際し、イベントの中止や自粛が相次ぎましたが、
       私は、これ以上、自粛ムードが広がらないことを願っています。
       愛知県警にも応援要請があったので、公道を警護する人員が足らないという理由で、
       名古屋国際女子マラソンが中止されましたが、これは仕方ないとして、
       大阪などでのコンサートまで中止する必要があるのでしょうか。

       被災した方は、本当に気の毒ですし、何らかの力になれるなら、何とかしたいとも思いますが、
       現実には、何もできません。
       もう少し落ち着けば、うどんを食べてもらえるような活動も考えたいのですが、
       今は行っても邪魔になるだけのように思われます。

       例えば、なにかのイベントが中止になっても、その人は地震に対して恐らく何もできません。
       それならば、東日本の経済が停滞する中、せめて我々はいつものように行動し、消費し、
       お金をまわしていくほうが、全体のためにはいいような気がします。
       少なくとも私はそう思っています。

       被災地域の方に、力をお貸しできる時が来たならば、全力で支援したいと思います。
       今は商売ができるありがたさを感じながら、普段どおりの生活をしていきたいと思っています。



3月10日 カレー煮込みブログでも夕方書きましたが、今日は麺を切る機械が壊れてしまい、
      すべての麺を手で切らなければいけませんでした。
      今やっと終わり、一息つくと同時に、明日も直らなければこれを繰り返すのか、と暗澹たる気分になっています。
      やってみて思うのは、
      「機械ってありがたいな、楽だな」というのと、
      「手でもできるもんだな」ということの両方です。
      ですが、手だけで毎日やっていると、こなすことに精一杯で、
      集中力や向上心を持つことは難しいかも知れません。
      楽をする、というと聞こえは悪いですが、いつもブレのないものを安定して作るためには、
      それも必要なことだと思います。

      でも、私は今日、様々なことを学ぶことができました。
      もともと包丁は得意で、最初から結構できました。
      毎日ある程度の量を包丁で切って、上手く切れているつもりでしたが、
      こうして量をこなしてみると、余分な力が入っていることに気付かされます。
      もっと力を抜いて。もっと包丁の重みを利用して。
      包丁の角度はどうだ。コマ板の構えはどうだ。
      自分自身、包丁の基本を何度も思い返しながら、
      今日いちにちの仕事をやっていました。
      包丁もずいぶん疲れていることに気付き、しっかり研ぎ上げて、仕事を終えました。
      得意なことほど、だんだん粗くなることってあると思います。
      それを戒めてくれたのかも知れませんね。


3月1日 いよいよ三月。春ですね。
      私の誕生月でもあるのですが、店は暇になってくるし、
      大好きなスキーの季節は終わりだし、花粉は飛ぶしで、あまり心楽しい月とは言えません。

      一気に暖かくなり、雨が降ったこともあり、角丸は閑古鳥が鳴いていました。
      でも、わざわざ雨の日を狙ってお出でになるお客様もいらっしゃいます。
      空いていて、ゆっくり食べられるから、だそうです。
      商売人として、暇なのは困りますが、いつも混みあって申し訳ない思いをしていますので、
      こんなふうに、ゆっくり召し上がっていただける雨の日も、たまにはいいかと、自分を慰めています。


2月23日 暖かくなってきました。
      過ごしやすさは歓迎ですが、みそ煮込みシーズンの終焉を感じ、寂しい思いです。

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      昨日、カレー煮込みを美味しく作るための勉強会を開催しました。
      詳細は、カレー煮込みブログに書きましたので割愛しますが…

      昨日はいろいろなカレー粉を試食するため、自分の店のだしとの相性を確かめたい人は、
      だしを持ち寄って試食しました。
      正直、こうした勉強会を開催するときには、
      事前準備の段階で、私自身はすでに勉強できてしまっていることが多いです。
      だいたいにおいて、当日はなぞること、それと他の人の意見を伺うこと、それがメインになります。
      もちろん、企画があってこそ、勉強ができるわけですので、こうした会は私にとっても重要なのですが、
      正直、当日までに私自身の勉強はあらかた終わっていることが多いです。
      ですが。

      今回、東区飯田町の名店、川井屋さんのだしを味わわせてもらいました。
      私は、びっくりしました。
      ムロなのに、すっきりして上品で。
      私は自分の店のだしに、少なからずショックを受けました。

      こうした刺激があるから、勉強会は面白いです。
      メイン・テーマでなくても、何でもいいからひとつでも持ち帰ることができれば、
      それだけで意義深いですよね。
      私は、自分の店のだしを、ある程度満足してしまい、最近はあまり勉強もしていなかったことを恥じました。
      いい気になっていたのかな。
      この道は、際限なく奥が深い、そう言いながら、見えてきたような気持ちになっていたのかな。

      改めて、またよりよいものを作る気概を持たせてくれた、川井屋さんに感謝です。
      この方は、本当に地に足のついたいい店をやっていらっしゃいます。
      尊敬に値する方です。
      こうした同業者と、様々な話ができることを、心から嬉しく思います。

      ●

      川井屋さんは、東区飯田町31、電話931-0474です。
      これだけ宣伝しておきましたから、川井屋さん、今度会ったら一杯奢ってくださいねw


2月12日 相変わらず寒いですね。今年は名古屋でもよく雪が積もります。

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      最近、私の気に入らない表示が増えてきました。
      曰く、「このトイレは従業員も使用させていただきます」。
      なぜそんなことをわざわざ断らなければならないのだろう?
      従業員のような下賤の者と一緒では嫌だ、という方でもいらっしゃるのでしょうか?

      接客でもそうです。
      へりくだりすぎる店が増えてきたように思います。
      先日あるお店では従業員が膝をついて接客してくれました。
      私はそこまでしてほしいとは思いませんでしたし、
      もし子供が一緒の時だったら、止めて欲しいと思ったはずです。
      子供が勘違いしてしまうからです。相手をなめてしまうからです。

      例えば、移動はファースト・クラスを使う、
      食事はホテルのレストランを使う、
      そういった時には、膝をつく接客でも完全なサーヴィスでも、
      あって然るべきでしょう。
      トイレだって分けるのかも知れません。
      完全なものを求めるだけの対価を払っているからです。
      (昔、FM802の仕事をしていた時、DJのヒロ寺平さんは、
       福井に移動する際、自分はグリーン車での移動でしたが、
       同行アルバイトには、グリーン車の乗車を許しませんでした。
       「きちんと苦労してきて地位を築いてからじゃないとダメ」とのことでしたが、
       今ではその意見の正しさを、心から納得します。)

      しかし、町のうどん屋では、それを求めるのは少し違うと思います。
      残念なことに、過剰な接客に慣らされてしまったのか、
      勘違いをしておられるお客様の数は、増えていると思います。
      何も、遠慮して食べろ、なんてことを言っているんじゃありません。
      ただ、作り手は自分の仕事にプライドを持つべきで、
      プライドが持てる仕事をしているのなら、へりくだりすぎる必要はないと思っているのです。
      (私の経験した範囲では、へりくだりすぎる店では、料理は大したことがないことが多いです。)

      ホテルにはホテルの接客が求められ、それが良さでもあります。
      でも、うどん屋にはうどん屋の接客の仕方があると思います。
      決して角丸の接客がいいと満足しているわけではありませんが、
      角丸のような店ならば、ホテルのような接客よりも、もう少し
      フレンドリーなほうがいいように思います。
      どんな店でも画一的な接客やサーヴィスでは詰まらないと思うのですが、どうでしょう?

      ●

      嫌なら食べてもらわなくても結構だ!なんてことは申しませんが、
      そのくらいの自信とプライドは持って、うどんをお出ししたいと思っています。
      味に勝るサーヴィスはない、それが私の信念です。


2月3日 今日は節分ですが、角丸初代・高治の誕生日でもあります。
      私三代目にとっては、お祖父さんになります。
      実は、現在金沢在住のKさんという方からお手紙をいただきました。
      その方は、昭和57・58年に、角丸の近所にあった松風荘というアパートにお住まいだったそうです。
      当時写真専門学校に通っていらっしゃったそうで、卒業制作用に撮影した写真を送ってくださいました。
      (実はずいぶん前に送っていただいたのですが、封筒がどこかに紛れ込んでしまい、
       最近出てきました。すいません)
      昭和57年というと、私は小学生から中学生に上がる頃ですね。
      角丸が現在のような三階建てになってまもなく。
      せっかくですので、お祖父さんを偲んで、皆様にもご覧いただこうかと思います。

      
      祖父高治と祖母たま子です。
      この写真ににじみ出ているように、本当に人柄のいい、優しいお祖母さんでした。

      暖簾の文字が「きしめん」ですね。
      この当時、もちろんみそ煮込みはメニューにはありましたが、
      名古屋名物といえばきしめんとういろうの時代でした。
      みそ煮込みやひつまぶしなんて、騒がれてもいない時代でした。


      
      当時お祖父さんが76歳くらい、お祖母さんが73歳くらいだと思います。
      今の二代目夫婦が77歳と71歳ですから、ちょうど同年代の頃ですね。
      そう考えると、二代目夫婦は若いですね。


      
      前にも書いたことがあると思いますが、仕事に相当厳しい人だったようです。
      私にはとても優しいお祖父さんでした。


      
      残念ながら、お祖父さんは89歳で、お祖母さんは79歳で他界しました。
      一度でいいから、同じ厨房に立って仕事をしてみたかったと思います。

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      おまけにこんな写真も。
      二代目孝の奥さんで、もちろん私の母、寿美子です。
      若い!
      43歳くらいだと思います。
      今の私と同年代ですね。
      



     金沢のKさん、懐かしい写真を本当にありがとうございました。


  

2月2日 昨日は愛知県麺業青年会の新年会でした。
     たくさんの業者様にもご出席いただき、賑やかな会になりました。
     大変熱意を持って、カレー煮込みを応援してくださり、ありがたい限りです。
     着々と角丸のカレー煮込みは進化しています。
     http://カレー煮込み.com/
     こちらのページも、参加店登録が遅れている店が多く、
     参加店が少ないように思われるかもしれませんが、
     まだまだこれから増えていきます。
     よろしく応援願います。

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     先日ガソリンを入れたところ、随分値上がりしているのに気が付きました。
     以前値上がりした時は、メディアが大騒ぎしたものですが、今回はあまり聞きません。
     今は円高で、輸入品は割安で入ってくるはずなのに、
     考えてみたら、小麦粉も輸入品ですが、値下がりしていません。
     これで景気が持ち直し、円が安くなる方向へ振れたら、
     ガソリンを始め輸入品はいったいどれくらい値上がりするのでしょう?
     二割?三割?
     景気が上向いた時、ひょっとしたらひどいことになるかも知れないなと思い、
     少し怖くなってしまっています。



1月29日 先日エスビーの方とお話しすることがありました。
      その席で、唐辛子の詰め替えについて興味深いお話を伺いましたので、紹介します。

      うどん屋さんは、多くの店で(青年会で訊いたらそこにいた全店がそうでした)、
      唐辛子は詰め替え用を買って、小瓶に詰め替えてお出ししています。
      ところが大手チェーンでは、こぞってこれを止めたそうです。
      理由として、詰め替えるほうが人件費などコストがかさむことと、
      最近の消費者は、賞味期限の掲載してある容器でないと、安心できないからなのだそうです。

      まず、古いのではないかという疑念を持つ方が多いそうですが、
      唐辛子は古くなると、まず色が変わってしまいます。
      そこで見分けられるのではないかと思います。
      多くのうどん屋さんは、上から注ぎ足さずに、予備の容器を用意して、
      無くなったら取り替える方式をとっておられると思います。
      この点は、ご安心願いたいと存じます。

      また、コストがかかると言いますが、
      ではあの「エコ」という看板は何なのだろうと思ってしまいます。
      どこの大手チェーンも、環境に配慮を謳い文句にしていますが、
      こんなところで時代錯誤なことをしていたのでは、「エコ」も疑わしい限りですね。
      (大体の場合、「エコ」は経済的な理由で使われます。自分勝手な「エコ」には振り回されないようにしましょう。)
      角丸もそうでしたが、昔のうどん屋は皆、リサイクルやリユースに積極的でした。
      かつては小麦粉や蕎麦粉の袋は、糸で編んで封がされていて、
      その糸を取っておいては、ざるそばの「さな(せいろの上の簾のことをこのあたりではそう言います)」の修理に
      使ったものです。
      大変な手間ですが、お爺さんたちはそれをやっていました。
      今は、やっていません。粉の袋も、糊付けが主流です。
      でも、その心は、うどん屋さんに根付いています。

      詰め替えはうどん屋の「エコ」心の象徴だと、思っていただける方が増えたら幸いです。

      ●

      尾張・名古屋カレー煮込みのページも、徐々に充実してまいりました。
      そちらでもカレー煮込みブログを書いていますので、ぜひご覧いただきたいと存じます。
      着々と角丸カレー煮込みは、角丸の名に恥じぬものになってきています。
      


1月25日 今日は食品衛生責任者実務講習会に行ってきました。
      二時間みっちりと、食中毒の危険と対応を仕込まれます。
      おかげで今日は疲れています。

      食のプロたるもの、食中毒の知識は一般以上に持っていなければなりませんし、
      毎日実践しなくてはなりません。
      それは百も二百も承知していますが、
      ああした講習を延々聞いていると、何を食べたらいいのか、嫌になってきます。
      ささみの霜降りもダメ、レバ刺しや馬刺しはもってのほか、魚介もきびしい、
      食べられるのは充分に火を入れたものだけになってしまいます。
      それって寂しいと思うのですが、どうでしょう。
      レバーは火を入れすぎると、パサパサになってしまうので、私はレアでいただきたい。
      生食は日本の立派な文化です。だから、お刺身も大好きです。
      ささみだって、表面をあぶる(もしくはさっとボイル)くらいでないと、ね。
      私の店で供するものは、ぐつぐつに煮えたぎっていますので、
      そうしたジレンマとは無縁で、ある意味ラッキーだと思います。
      私が鶏肉や牛肉や魚介を扱う店をやっていたら、
      新鮮なものが入ったときは、生に近い形でお出ししたいと思うのでしょうが、
      講習の後では、躊躇してしまいそうです。

      でも私は、これからも自分の好きなものを食べていきたいと思います。
      ただし、信用できる店で。
      角が崩れてしまったり、色の悪い刺身には、私は絶対手を出しません。
      すべて、「信用できる店で」という注釈が必要でしょうね。
      幸い私には、信用できる店があります。
      角丸も、お客様にそう思われる店でありたいと願っています。




1月20日 今発売されている週刊大衆に、角丸が掲載されました。
      後ろからめくると、大きくドン!と載っています。
      写真も上手に撮ってあります。
      この取材をしてくれたのが、はんつ遠藤さんという方。
      非常にうどんにお詳しく、突っ込んだ質問に思わずたじたじとしてしまうほどでした。
      こういう詳しい方とお話しするのは本当に楽しいことです。

      ただ、私は知らなかったのですが、この雑誌、非常に低俗です。
      ほぼ、エロ本といっていいほどで、それが残念に思いました。

      もし良かったら、ご覧下さい。

1月17日 昨日から名古屋は、大変な雪になっています。
       普段見慣れた景色が一変し、なんだか名古屋じゃないような不思議な気持ちになります。
       お車の運転や、歩きになる際は、ぜひ、お気をつけていただきたいと存じます。

       ●

       私たち人間は、味覚というものを持っています。
       味覚が鋭い方もあれば、そうでない方もいらっしゃいます。
       ところが先日、こんなことがありました。

       車で皆で出かけたとき、運転手さんには申し訳ありませんが、
       私たちは車内でビールを呑んでいました。
       つまみにコンビニで海老せんべいを買い、封を開けたところ、
       車内にふわりと海老の香りが充満しました。
       これは旨そうだ、と口へ入れたところ、先ほどの香りが感じれません。
       「食べると海老の風味がしないな」
       「海老の殻をもう少し配合すれば、もっと香るのにな」
       などと言いながら、ビールを呑んでいました。

       目的地で遊び、温泉に入り、帰路で再びビールを。
       まだ残っていた、先ほどの海老せんべいを食べると、
       なんと、海老の香りがぷんぷんします。
       え!この強烈な風味を感じていなかったの?
       と、驚いてしまいました。

       人間の味覚とは、如何に不安定なものであるか。
       直前に食べたものや、その時々の体調などで、
       味覚は簡単に変わってしまいます。

       恐ろしいような気も致します。
       これからは、一度の試食では評価を下してしまえないな、そう思いました。
       特に「だし」の風味は繊細なので、充分注意して味見をしなければならないと痛感しました。

       皆様にはこういう経験がおありですか?


1月15日 今年はなるべく頻繁にこのページを更新しようと思っています。
       鼻息が荒いのは今のうちだけかも知れませんが。

       さて、皆様は「名古屋めし」というと、何を思い浮かべますか?
       このページをご覧になる方ならもちろん、みそ煮込み、きしめん。
       あとは手羽先、ひつまぶし、天むす…。
       帰れま10では他に、味噌カツ、スガキヤラーメン、
       あんかけスパ、台湾ラーメン、小倉トーストがランク・インしていました。
       (私の周りの生粋の名古屋人は、あんかけスパを食したことのない人が非常に多いです。
        ひつまぶしも子供の頃は聞いたこともなく、ああした食べ方は鰻釜飯でした。
        私の子供の頃は、名古屋といえば、きしめんとういろうでした。様変わりしましたね。)

       ここには入っていませんが、カレー煮込みってご存知ですか?
       文字通り、塩を使わない煮込み麺を、カレー味で煮込んだものです。
       角丸では、たまにまかないで食べるくらいで、お客様にはお出ししていませんが、
       ずっとやっていらっしゃるお店も多い、隠れた名古屋めしです。

       実は、この夏、この「カレー煮込み」にスポットを当てて、
       尾張・名古屋地区のうどん屋さんで、盛大に売り出そうという計画があります。
       せっかくだから、今までより美味しいものを作ろう、ということで、
       カレー煮込み勉強会などを開催し、7月から一斉に販売する予定です。
       そして、勉強会の様子や開発の過程などを、逐一ネットで流していくことしました。
       まだ立ち上げたばかりのサイトで、これからという感がありますが、
       できましたら、こちらもチェックしてやってください。
       


1月14日 松が明けてしまった感もありますが、それでも、
      明けましておめでとうございます。
      本年も、よろしくお願いいたします。

      今年は珍しく、4日から店を開けました。
      道路は閑散として、人気(ひとけ)がなく、これは暇だろうと思っていたら、
      思いがけず、多くの方にお運びいただけました。
      ありがとうございました。

      また、去る9日に、中京テレビ「PS」にて取り上げていただきました。
      同業者が選ぶ美味しい店というテーマで、
      みそ煮込み部門の3位にランク・インしたということでした。
      多くのお客様からそのお話を伺いましたが、
      中には、「何で1位じゃないの!」と憤慨してくださるお客様もいらっしゃり、
      ありがたい限りでした。
      私の知る限り、あまり同業店へ行かれる店主さんは、多くありません。
      私自身は、あちこちで勉強させてもらうのが好きで、いろいろ食べまわっていますが、
      少なくとも私の周りには、そういう方は多くありません。
      と言うことは、こういう調査をしても、どうしても有名店に偏るのでは…と思いましたら、
      その通りの結果でしたね。
      プロですから、食べれば美味しい不味いの判定を含め、色んなことが分かるはずですが、
      残念ながらあまり多くの店をご存じない方が多いのだと思います。
      一つには、営業時間の問題がありますね。
      私も、代官町の評判の坦々麺を食べてみたいのですが、
      営業時間が短く、角丸の営業時間と完全にかぶるので、食べに行けてません。
      しっかり味わえるプロが、ブロガー並に食べ歩けて、しかもそういう方が大人数いらっしゃったら、
      面白いランキングになると思うのですが、難し過ぎますね。


      ああ、これを書こうか迷いながら、でも書いてしまう。
      新年早々なのに。
      決していちゃもんでもクレームでもありません、と先にエクスキューズしておきます。
      同番組をご覧になった方はお分かりですが、今回取り上げられたお店がありますね。
      そのお店では、煮込み麺を一度、釜で湯がいてから土鍋に入れていました。
      実はこうしたお店は結構あります。
      以前、組合青年会の座談会で、そういう話になった時、半数近くがこうしたやり方でびっくりしました。
      角丸は生麺を直接のほうです。
      いろいろお話を伺ったり、自分でもやってみて分かったのは、
      お客様に早くお出しできること、打ち粉が釜へ落ちる分、さらりとすること。
      主にこの二点です。早くお出しできるということから、味噌を煮すぎないことも長所に挙げてもいいでしょう。
      (私は打ち粉のおかげで独特のとろみが付き、それがいいと思っているので採用しませんが。)
      別にその店の考え方や組み立て方の話なので、どちらでも構わないと思います。
      ただ、今回の店主さんは、「麺に味が染み込みやすいから」とおっしゃった。
      私の知る範囲では、それは真逆だと思います。
      生麺を入れたほうが、染み込みます。明らかに。
      一度湯がけば、表面は湯を吸い込んで、でんぷんも糊化してつるりとし、味は乗りにくいはずです。
      あの店主さんはどういう意図で、そうおっしゃったのか。
      それとも、そういう技法があるのか。
      ちょっとそこにひっかかってしまいました。
      私は単純な疑問を感じ、それを書いただけです。文句じゃありません。くれぐれも。

      私自身は、暮れにある失敗をしまして、それがヒントとなり、まったく新しい考え方の
      水回し法を編み出し、それが非常にいいうどん(煮込みにも使える)ができるので、
      毎日ご機嫌です。
      何年も、自分自身の100点満点を越えることができませんでしたが、
      暮れに久しぶりに100点を越え、その越えたうどんが今の角丸の100点に設定されています。
      どんな方法かって?
      長くなりますので、また機会を見て…